研究概要 |
本年度の研究実績は大きく二つに分けられる. 一つは, 昨年度実施した, 大学生を対象にした調査のよりつっこんだ解析であり, 二つは, 児童・生徒・学生を子弟にもつ父兄を含む社会人を対象にした調査の実施である. 第一の研究について, 解析結果から得られた知見の主なものは次の通りである. 1.教師の所属する学校段階において, 小, 中, 高へと段階が高くなるにつれて, 教師の地位評価は高まる 2.担当教科の別によって教師の地位は分化する. 体育教師は9教科中8位に評価されている. 3.操作的に学校段階別・担当教科別に教師の地位分化をみたところ, 19教師中「高校・体育」は14位, 「中学・体育」は17位であり, 35職業中においてみれば, それぞれ27位, 30位である 4.教科イメージ, 教師イメージは, 体育教師はおおむね好意的に受けとめられており, 教師イメージにおいては性差(男子が好意的)が認められた. 5.体育教師の地位スコア高低は, 数学教師と比べた場合, 教科・教師イメージによって影響される程度が比較的大きい. 第二の研究については, 鹿児島市内の800人の成人を対象にして郵送法による調査を実施した. この調査は, これまでに明らかにされてきた体育教師の社会的地位に関する知見を, 評定者の職業, 学歴, 年齢等の諸属性を介在させることによって, 多面的に実証しようとするものである. 目下, 電算機による分析をすすめているところである.
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