研究概要 |
わが国の主要な陸上競技会において、近年、エレクトロニクス機器が導入され、判定や測定に大きく寄与するようになった。トラック競技においても着順や記録は、全自動電気計時装置が使用され、100分の1秒まで容易に計測し得る。しかしスタート時においては、スタータの立つ位置および音の出る位置によって公平さを失なうことが理解できる。(発音体と選手との距離差)そこでこれらを解消させる方法として昭和53年に電動連発式信号器を開発し、日本陸上競技連盟の主催する競技会において正式器具として使用されてきた。しかし、この装置は押圧式でしかも紙雷管を使用するので、人員,降雨対策に難点があった。そこで押圧式から電子音式に進歩させるべく数回の実験を試みた結果、実用化に成功し日本陸上競技連盟の公認が得られ神戸ユニバーシァード大会で全面的に使用された。しかしまだ音質が金属音的であり、またスタンドの観衆に対する音量が不充分であった。さらに、62年10月国民体育大会(かいじ国体)において使用されたが、当会場はメインスタンドのみで三方は殆ど開放されており、観衆の聴感上迫力を欠いた音色,音量となった。そこで至急設計中のスピーカシステムに改良を加え、1、指向特性を改善したホーン形スピーカ 2、音色を改善したスピーカシステム の双方を別個に設計し、プロトタイプの試作を行った結果、ホーンの指向特性についてはほぼ充分、音色についてもR【O!~】とスピーカシステムを別系統とすることによりほぼ満足し得る結果となったので試作品を発注した。 実験は3月15日以後、先づ明星大学キャンパス内で実施し、その後国立競技場で行う予定である。
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