研究概要 |
陸上競技のトラック競技は, 紙雷管(火薬)を使用した機械式のスタート装置が多く使用されている. しかし, この方式のスタート装置には種々の欠点があったのでその欠点を解消する為に電子音を利用したスタート装置を開発しユニバーシヤード神戸大会や第41回国民体育大会等の陸上競技で使用した. その結果, 各陸上競技場により周囲の構造が異なる為に周囲からの反響が少ない競技場では, 観衆へのスタート音が小さくなり聴感上迫力を欠いた音となる結論が得られたので従来のシステムの他に観衆用に昨年度試作したスピーカシステムを設た二系統のスピーカシステムにすることにより周囲の環境に影響されることなく観衆にスタート音が聞える電子式スタート装置の開発を行った. 更に, 昨年度試作したスピーカシステムから出力する観衆へのスタート音の音色を改良する実験を行った. 以上の実験の結果は, 従来の電子音式スタート装置に比べスピーカシステムを二系統にしたことにより周囲の環境による影響は少なくなり観衆にスタート音が聞えるようになった. また, 観衆用スピーカシステムより出力されたスタート音は音色の改良されたことにより従来の電子音式スタート装置より良との結果が得られた. しかし, スピーカシステムを二系統にしたことによりシステム全体が大型化してしまい実用上多少不便になってしまう結果が得られたので昨年に引きつづき小型化した指向特性の勝れたホーンスピーカを開発しこのスピーカを使用したシステムで実験を行っている. またこの小型化したスピーカは指向特性が従来使用してきたホーンスピーカに比べ良い特性である結果が得られているので観衆へのスタート音は聞えるが周波数特性が昨年度試作したスピーカシステムと比べ悪ので音色の改良が必要であり現在このスピーカで出せる良質なスタート音の実験を行っている.
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