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1986 年度 実績報告書

T4ファージ尾鞘蛋白質の化学構造と高次構造

研究課題

研究課題/領域番号 61580127
研究機関北海道大学

研究代表者

有坂 文雄  北海道大学, 薬学部, 助手 (80133768)

キーワードバクテリオファージ / 収縮性尾鞘 / 尾鞘蛋白質 / S-S結合 / 蛍光試薬 / ウェスタンブロッティング / ドメイン / 塩酸グアニジン変性
研究概要

上記の課題について得た成果を以下項目別に報告する。
1)S-S結合:尾鞘蛋白質のシステイン残基を還元条件下及び非還元条件下で蛍光試薬SBD-Fを用いて標識した後、トリプシンで完全に消化して高速液体クロマトグリフィーで分析した。還元条件では4つの主要なSBD-F標識されたピークが認められ、このうち2つは非還元条件でピーク面積が大幅に減少した。ピークの大きさの変わらなかった2つのペプチドを分取し、再クロマト後アミノ酸分析を行なった結果、これらはCys377及びCys477を含むことが分かった。従って、これら2つのシステイン残基はフリーであると考えられる。Cys607とCys402又はCys607とCys406とはS-S結合を形成しているものと思われるので、更に検討中である。
2)ブロテアーゼ抵抗性領域のマッピング:gp18をインタクトな状態でトリプシン消化し、生じた27K断片をSDS-PAGEによって単離した後、アミノ酸分析及びペプチドマッピングを行なうことによって、同断片はlle115からLys316までを含むことが分かった。この27K断片でウサギを免疫することによって抗体を得た。この抗体を用いたウエスタンブロッティングで染色することにより、トリプシン消化の中間体として一時的に現れる62K及び31K断片はいずれも27K断片を含むこと、またリシルエンドペプチダーゼによって得られる42K及び31Kについては後者が強く染まることから、前者がC末端側,後者は27K断片の大部分を含むN末端側であることが明らかになった。
3)塩酸グアニジン変性:gp18はpH9.0で塩酸グアニジンにより可逆的な3状態変性(2段階変性)を示す。222nmにおける残基楕円率を指標として上記トリプシン消化断片の変性をモニターした処、この変性は元のgp18の全変性の80%を占める第1段階の変性に一致し、トリプシン抵抗性断片はGu・HCIではむしろ変性しやすい方のドメインである可能性を示した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Takashi Kumazaki: Proteins:struc.,Func.,& Genetics. 1. 100-107 (1986)

  • [文献書誌] 有坂文雄: 生物物理. 27. (1987)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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