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1986 年度 実績報告書

強酸性シアロ糖タンパク質の化学構造と動物細胞制御および防御機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 61580151
研究機関昭和大学

研究代表者

井上 貞子  昭和大, 薬学部, 助教授 (00053827)

研究分担者 岩崎 万理子  昭和大学, 薬学部, 助手 (80054021)
キーワードポリシアロ糖タンパク質 / 魚卵表層胞物質 / 受精 / 初期発生の生体防御 / 反復構造をもつタンパク質 / 2-ケト-3-デオキシノノン酸 / デアミノノイラミン酸
研究概要

本研究は、強酸性シアロ糖タンパク質の生物学的機能の一例として、本研究者が魚卵中に見出したポリシアロ糖タンパク質(PSGP)の受精および初期発生における制御および防御機構への関与を証明し、それを分子レベルで解明することを目的とする。本年度、以下の実績が得られた。
1.ニジマス卵PSGPについて、受精直後に著しい低分子化(200-kDa→9-kDa)を起す現象を見出し、これが特異的なプロテアーゼによる分解であることを明らかにした。更に、低分子化PSGPが均一なアミノ酸配列をもつことを見出し、この配列と糖鎖結合部位を決定した。また、この低分子化現象を、卵の活性化に伴う一連の生物学的変化(表層反応)の背後に存在する顕著な分子事象(化学変化)の一つとして意義づけた。
2.ニジマス未受精卵200-kDaPSGPの全化学構造の決定を行ない、タンパク部分が同一のアミノ酸配列をもつトリデカペプチドの反復構造のみから構成されるユニークな分子であることを明らかにした。
3.表層粒(胞)は、動物の卵細胞に固有なオルガネラで、これらが卵活性化の刺激に呼応して内容物を細胞外に開口分泌することにより、胚の正常な発生に必要な防御機構が成立し、発生が開始される。魚卵の表層胞は単離が困難で、今迄単離に成功した例はない。我々は、サケ科魚卵表層胞を単離することに成功し、PSGPが表層胞周辺部に局在することを生化学的および免疫組織化学的手法により証明した。
4.PSGPの機能の担い手と考えられる糖鎖において、次の新しい単糖を発見し、構造と結合部位を決定した。(1)ケトデオキシノノン酸(KDN)。全く新しいシアル酸アナログで、ポリシアリル基の非還元末端に位置し、シアリダーゼから保護する。(2)6-デオキシアルトロース。動物起源の糖タンパク質構成糖としては報告例が無い。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Sadako INOUE: J.Biol.Chem.261. 5256-5261 (1986)

  • [文献書誌] Ken KITAJIMA: J.Biol.Chem.261. 5262-5269 (1986)

  • [文献書誌] Daita NADANO: J Biol.Chem.261. 711550-1155 (1986)

  • [文献書誌] Mariko IWASAKI: Biochemistry. 26. (1987)

  • [文献書誌] Sadako INOUE: Developmental Biology. (1987)

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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