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1986 年度 実績報告書

SSEA1(胎児分化抗原1)発現の遺伝学的制御の研究

研究課題

研究課題/領域番号 61580159
研究機関(財)東京都臨床医学総合研究所

研究代表者

鈴木 明身  臨床医総研, その他, 研究員 (70134533)

研究分担者 伊藤 由利  東京都臨床医学総合研究所, 代謝研究室, 研究員 (10176373)
中村 京子  東京臨床医学総合研究所, 代謝研究室, 研究員 (30124481)
鈴木 實  東京都臨床医学総合研究所, 代謝研究室, 研究員 (40124466)
関根 美知子  東京都臨床医学総合研究所, 代謝研究室, 研究員 (70124469)
橋本 康弘  東京都臨床医学総合研究所, 代謝研究室, 研究員 (80164797)
キーワード胎児分化抗原-1 / 糖脂質発現の遺伝学的解析 / マウス腎糖脂質
研究概要

マウス腎よりSSEA-1活性を有する糖脂質を精製し、その構造を質量分析法、NMR、化学分析その他を用いて決定した。本糖脂質の構造はSSEA-1活性決定基がラクト骨格ではなく、グロボ骨格構造に結合してしていたこと、又、SSEA-3構造とされるGal-GlobotetraoseにSSEA-1構造が結合し、SSEA-1,SSEA-3両抗原決定基を一分子中に持っていたという点で全く新しい構造であった。この糖脂質の腎での発現には近交系マウス間に多型現象が見出され、この糖脂質発現を欠くマウス(DBA/2)と発現マウス(BALB/C)との間で交配実験を行うことによって、この糖脂質発現を欠くDBA/2マウスは常染色体性の単一遺伝子に何らかの欠損のあることが明らかになった。一方、この糖脂質発現を欠くDBA/2マウスは発現マウスとは異なる糖脂質パターンを示した。このDBA/2マウス特有と思われる糖脂質を精製し、構造を決定した所、Gal-GlobOtetraosylceramideであることが明らかとなった。この糖脂質は上記の新しい構造の糖脂質と比較する時、骨格構造となっていることが明らかであり、以上の結果を総合するとDBA/2マウスはGal-Globotetraose骨格にβ1-6結合でGlcNAcを付加する能力に欠けるため、さらに糖鎖を伸長させてGal(β1-4)[Fue(α1-3)]GlcNAc(β1-6)-を非還元末端に持つ糖脂質を造り出せない近交系であることが結論される。このDBA/2マウスが持つ欠損遺伝子がどの様な分子をコードするものが、今後の重要な課題である。この欠損遺伝子を目印として、遺伝子座の決定を試みた。DBA/2マウスとc57BL/6マウス間で作製されたBXD/Tyリコンビナント、インブレッド・マウスをJackson研究所より購入して解析した所、連鎖する染色体マーカーは見い出されなかった。その後Taylor博士からの私信で、我々の解析している遺伝子は第19染色体のEa-4抗原をコードする遺伝子座と連鎖する可能性が示唆され、現在、この連鎖の証明を交配実験により行おうとしている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Sekine,M.et al.: Journal of Biochemistry. 101. 553-562 (1987)

  • [文献書誌] Sekine,M.et al.: Journal of Biochemistry. 101. 563-568 (1987)

  • [文献書誌] Yamakawa,T.et al.: Chemistry and Physics of Lipids. 42. 75-90 (1986)

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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