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1986 年度 実績報告書

原子炉診断のための非線形現象解析技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 61580185
研究機関東北大学

研究代表者

北村 正晴  東北大, 工学部, 助手 (00005422)

研究分担者 古田島 久哉  東北大学, 工学部, 助教授 (30005384)
キーワード原子炉 / 異常診断 / 非線形現象 / 時系列解析 / 並列分散処理 / 運転監視
研究概要

本年度の研究計画実施の過程で以下の知見と成果を得ることができた。
1 非線形現象の生起検出、様態識別のためのアルゴリズムを大型計算機上で開発した。手法としては、標準的なモーメント解析に加え、独自の発想に基づきKolmogorov-Smirnoffテスト、Portmanteau Lack-of-Fitテストを導入した。シミュレーション試験を通じ、これらの手法が非線形現象の生起を高い感度で検出できることが確認されている。本研究で提案する短時間スペクトル解析と相関解析の二段階利用法は、非線形現象の様態識別のための有効な手段として利用可能であることも実証された。これらの知見は、原子炉診断法の高度化上極めて貴重なものであり、在来手法とは原理を異にする強力な診断技術の基盤を与える有意義な成果と考える。
2 手法適用性の一層の拡大を目的として、1で開発された各アルゴリズムを数値演算処理専用プロセッサを装備した16ビットパーソナルコンピュータ上で実行可能とするための縮約適合化を行なった。縮約された計算プログラムは所定の性能を損なうことなく実用的な計算時間で動作することが確認され本手法を並列分散処理型マイクロプロセッサシステム上に実現することが十分に可能であることを明確に検証できた。
3 実動中の商用発電炉により得られた様々の信号に対して本手法を適用し信号によって線形性からの逸脱度が有意な差を示すことを確認した。現在迄に入手している測定データの範囲では異状事象と関連付けられる非線形性は検出されていないが、万一生起した場合の検出能力は十分高いと判断できる結果が得られている。今後共継続的にデータを入手できる体制が整っており、多様な運転条件に対応する信号の長期的監視を通じて実積の蓄積と手法の一層の改良高度化とを図っていく計画である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] M.KiTamura: Journal of Nuclear Science and Technology.

  • [文献書誌] M.Kitamura: Progress in Nuclear Energy.

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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