研究概要 |
流路径9.8mmの垂直上昇流と流路径3, 5, 7mmの水平流におけるInverted Two-phase Flowの研究を行い, 以下の新たな知見を得た. 1.Inverted Two-Phase FlowにはInverted Annular Flow, 液体スラグ流, 過熱蒸気流の3つの流動形態が存在することを明らかにした. 2.各流動形態の遷移条件を明らかにし, 液体スラグ流の伝熱特性及び存在長さを明らかにした. 3.過熱蒸気流はPost-dryout状態の流動と伝熱特性が一致することを見出した. 4.Inverted Annular Flowの伝熱特性について, 流速, 熱平衡クオリティ, 壁面過熱度の及ぼす影響を明らかにし, 流路径及び重力に対する流れ方向がこれらのパラメータの影響にどのような関与をするかについて明らかにした. 5.Inverted Annular Flowの蒸気膜厚さに関して, 流速, 熱平衡クオリティ, 壁面過熱度及び流路径に関するデータベースを確立し, これらが蒸気膜厚さに及ぼす影響を明らかにした. 6.Inverted Annular Flowの壁面剪断応力は蒸気膜厚さにより整理でき, 蒸気膜厚さが0.4mm以下の場合は液単相流より小さくなることが明らかになった. 7.本研究成果及び以前に行った研究成果を合わせて考察することにより, Inverted Annular Flowの伝熱特性は水平流の場合は蒸気膜流速に, 垂直上昇流の場合は蒸気膜に依存する蒸気膜の乱れに存在することが明らかになった.
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