研究概要 |
本年度はまず、東京・札幌などに出張し、北海道の殖民区画および入植に関する資料を中心に、その収集に努めた。具体的には、北海道関係の代表的文献を入手し、また明治・大正期の旧版5万分の1地形図,ならびに2万5千分の1殖民区画図を、前者は測量成果の謄本として、後者はマイクロフィルムに撮影して入手した。 さらに、これら北海道関係の文献の整理を進めると共に、撮影した殖民区画図を旧版地形図と同一の5万分の1に縮小して焼き付けをし、両者の対比・検討が便利な形としてその整理、分析を進めた。 一方、アメリカ合衆国のタウンシップ・システムならびにオーストラリアの方格プランについても、研究書・文献ならびに18世紀末〜19世紀前半の土地計画に関する法令・規則の収集と整理・分析を進めた。 その結果、アメリカ合衆国のタウンシップ・システムとオーストラリアのタウンシップおよびパリッシュの双方において、方格プランの土地計画の重要な要素として中心集落の立地計画が存在したことが判明した。オーストラリアに関する研究成果の一部を、本実績報告書研究発表欄に記載した論文「ニュー・サウス・ウエルズ植民地における中心集落の計画とその実施ーー19世紀前半のハンター河谷を中心にー」として発表した。
|