研究概要 |
今年度は主に以下に述べる内容について、分担して研究を進めた。 1.地下水の流動系のスケールと異方性の定義などに関係した文献を収集,整理を行った。またシミュレーションに必要な、透水係数の空間的変化や異方性の確率的な表現方法の可能性について検討した。 2.実際のフィールドの状態についてデータをもとに検討するために、福島県の会津盆地で主としてボーリングデータの収集などを行い、また茨城県の出島台地などで土壌や地層のサンプルの採取・分析を行った。同時にマイコンを用いたボーリングデータの効率的な整理法についても検討し、一つの方法を提示した。また東京・神奈川など関東地方を中心に、さらに現場のデータが入手できるか否かを検討するために、現地調査を実施した。これらの結果をふまえて、次年度以降、さらにデータの収集を行い、解析を試みる予定である。 3.土壌や地層の中に存在する大間隙の、地下水流動あるいは透水係数に与える影響などを検討するために、まず極端な場合を想定して実験を行うことにした。具体的には降雨時における大間隙,パイプ周辺の地下水の挙動などを想定し、これをシミュレートさせるためにアクリル製のサンドボックスモデル(幅45cm,高さ90cm,奥行12cm)を作成した。現在実験を継続中である。4.地層の不均一性のもつ地下水流動に与える影響について、簡単な数値モデルを開発、これを用いた計算によって現在検討を行っている。現在までに得られた結果から透水係数の空間的変化が、かなり顕著な形で地下水面,地下水頭の分布に影響を与えていることがわかった。
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