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1986 年度 実績報告書

非筋細胞皮質細胞質中のアクチンフィラメント集合体の動的構造と機能

研究課題

研究課題/領域番号 61580233
研究機関京都大学

研究代表者

伊藤 忠直  京大, 理学部, 助教授 (90093187)

キーワードアクチンフィラメント / 非筋細胞の浸透圧応答 / osmotic stress / osmo-elastic coupling / F-アクチン溶液の相転移 / elastic pressure
研究概要

非筋細胞の浸透圧応答において、細胞内皮質にあるアクチンフィラメントは、重要な役割を果していると考えられるが、その詳細は不明である。そこで、オスモメーターを利用したモデル系により、浸透圧の不近衡下でのアクチンフィラメントの挙動を研究した。
ウサギ骨格筋より抽出したアクチンフィラメント溶液を、分子量20K以上の高分子を通さない半透膜により、外液と接しているオスモメーター内に入れた。そして外液にその膜を通らない高分子量のデキストランを加えることにより、オスモメーターの内外に浸透圧の不均衡をつけ、その時生じるオスモメーター内のvolume flowを測定し、それを非平衡定常状態の熱力学を用いて解析することにより、浸透圧の不均衡のもとで生じるosmotic stressが、アクチンフィラメントにおよぼす影響を研究し、以下の結果を得た。
(1)アクチンフィラメントは、収縮することにより、osmotic stressの仕事により生じるエネルギーの一部を弾性エネルギーとしてたくわえ(osmo-elastic compling)、elastic pressureを生じる。
(2)アクチンフィラメントは、7mg/mlを境に、等方流動相(ゾル)から等方固相(ゲル)に相転移(ガラス転移)し、それにともない、osmotic stressの仕事エネルギーは全てフィラメントの弾性エネルギーにたくわえられるようになる。
(3)ある強さ以上のosmotic stressのもとでは、アクチンフィラメンの溶液中での等方構造はこわれ、フィラメント同志が互に会合した、束状構造をとるようになる。その結果、osmotic stressの仕事エネルギーは全て、溶媒分子をオスモメーター内から外に移動させるのに使われる。その時には、エネルギーは溶媒分子と膜とのまさつエネルギーとして散逸する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 伊藤忠直: Beophys.J.(1987)

  • [文献書誌] 伊藤忠直: Biophys.J.

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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