研究概要 |
研究課題を達成するためには、1)ミオグロビン遺伝子のクローニング,2)当該遺伝子の塩基配列の決定,3)適当な宿主内での発現系の確立が必須である。本年度は、以下略述するように、1),2)は完成し、3)も年度内には達成の見込みである。 1)ウシミオグロビン遺伝子のクローニング 牛胎児の骨格筋よりmRNAを調製し、OKAYAMA-BERG法によりcDNAを合成した。ヒトミオグロビンのEXON【II】DNA断片をプローブとし、ウシミオグロビンcDNAをクローニングした。当該cDNAは約1.1kbpのサイズをもち、これはNORTHERNブロット法により明らかにしたウシミオグロビンmRNAのサイズ約1.1kbと一致した。 2)ウシミオグロビンcDNAの塩基配列の決定 OKAYAMA-BERG法で合成したcDNAは、制限酵素Pst【I】,Pvu【II】で切り出せる。当該遺伝子はPst【I】部位の近くにPvu【II】部位をもち、そこから700bp下流にHind【III】部位をもつことが判った。上流側Pvu【II】-Hind【III】cDNA断片、下流側のHind【III】-Pvu【II】cDNA断片をそれぞれM13ベクターに捜入し、Dideoxy法により塩基配列を決定した。Pvu【II】部位から67bpの所に翻訳開始コドンのATGがあり、530bpの所に翻訳終了コドンTAAが見つかった。さらに1063bpの所に典型的なpolyA付加の信号AATAAAが在存した。推定されたウシミオグロビンのアミノ酸配列は、報告されているそれと2箇所を除いて完全に一致した。 3)発現系の確立。 酵母のGALクプロモーターとターミネーターをもつ発現ベクターを用い現在発現系の確立をいそいでいる。
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