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1986 年度 実績報告書

数学的問題解決に関する日米比較文化的観点からの基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 61580242
研究機関筑波大学

研究代表者

三輪 辰郎  筑大, 教育学部, 教授 (70030278)

研究分担者 能田 伸彦  筑波大学, 教育学系, 助教授 (80020121)
門脇 厚司  筑波大学, 教育学系, 助教授 (80015924)
長谷川 栄  筑波大学, 教育学系, 教授 (00018178)
キーワード数学的問題解決 / 比較文化的研究 / 教科書比較 / 数学達成度
研究概要

本年度の研究結果は、次の1-3に要約される。
1.米国とくらべて日本の数学教育、とくに、数学的問題解決に関わる文化的観点からの特徴として次の点があげられる。
(1)日本の教育は、中央集権的であり、しかも、平等を指向していて、個を平均的全体に順応させる傾向がある。
(2)学習指導は、教室での多人数による一斉授業で進められており、数学的問題解決において教師主導の下での集団討議が生かされている。
(3)学歴重視の社会にあって、入学試験が大きな影響をもち、数学の問題とその解決は、それにかなり支配されている。
(4)日本の数表現、とくに、命数法は十進法に従っていて、低学年児童の算数学習、とくに、そこで重要な数計算の進歩に大きく貢献している。
(5)文字(変数)がローマ字によって表現されていることは、生徒に理解困難点を生み出すと同時に新奇性その他の効果を持つ。
2.日米の算数・数学教科書の特徴として次の点があげられる。
(1)日本の教科書の進度は米国のそれに比して非常に速い。したがって、小学校高学年以降日米教科書の数学内容の差が大きい。
(2)米国の教科書では、問題解決方略(ストラテジー)に着目し、それを直接取り扱っている。日本の教科書ではそのようなことを行っていない。
(3)米国の教科書に見られる問題場面は多様であり、かつ、生活感に溢れていて、数学の応用を十分に意識している。日本の教科書では、場面は制限されていて、数学内に止まっている。
3.日本の小学校高学年児童・中学校生徒について、いわゆるノン・ルーチンな問題に関する解決成積は良好であるとはいえない。手の付け方を見つけられないものが多い。

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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