研究課題
本研究の研究期間は3年間であり、昭和61年度は主として調査項目の選択問題の作成、予備調査の実施、その評価および問題の改良を行ない、昨年度は全国調査の依頼と調査の実施期間にあてた。さらに、今年度は日本語力を構成する要素のうち語彙、助詞、文型、漢字作文、指示語、前提、含意の8要素について全国の北は北海道の札幌、釧路から南は九州、沖繩県まで24都道府県28地域の165校以上の学校で実施した約19万人のデータの統計処理によって、小学校1年生から中学3年生までの発達状況の基準を作成することである。そのための作業として全国調査を行なった大量データの入力、統計処理、各学校の分析結果の報告、全体のまとめとして、調査結果にもとづき、各テスト項目の問題の整理などが今年度の主とした研究内容となった。また、各テスト項目間の相互相関を求める目的から小、中学校各2校について8類種の全てのテストを同じ子供について実施し、各テスト項目間の相関が高いことを確かめた。基礎的な統計処理として学校別、学年別、男女別の最高得点、最低得点、平均得点、標準偏差、平均正答率、問題別正答率、などの算出を行なった。計算機にはすべての生データが圧縮して入力されており、必要に応じて学校別、或いは全国平均データを出力できるようになっている。語彙、漢字の項目については小学校1年にとって、1番やさしい問題から中学3年生にとって1番難しい問題までを1つの尺度で表わし、適応型テストを作成するための、項目応答理論にもとずいた、IRT分析を行ない、現在我々のテスト問題により適応型テストを作成中である。
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