研究分担者 |
宇野 富美子 一橋大学, 経済研究所, 助手 (20017669)
寺崎 康博 長崎大学, 教養部, 助教授 (90136622)
浅野 長一郎 九州大学, 理学部, 教授 (30037288)
佐藤 正広 一橋大学, 経済研究所, 講師 (80178772)
前田 昇三 甲子園大学, 経営情報学部, 助教授 (80027573)
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研究概要 |
歴史統計の分野での個別情報の集積による復元調査技法の開発と、個別情報を結合することによってロンジチュージナル・データのデータベースを編成する技法の開発が本研究の主要課題である。 すでに編成した「明治42年全国工場通覧」の従業員5人以上の工場32,000の所有者名の名寄せファイルと「明治41年全国諸会社役員録」「銀行会社要録」結合の10,000社の企業ファイルとを統合した明治42年ファイルに、秘匿措置を行っていない集計表とのリンケージにより、個別情報の拡充追加を行った。この個別情報の拡大のために愛知県の工場統計表の調査個票の当時の記録文書からの蒐集・解読の結果の入力データ整備を行った。さらに「日本工業要鑑」による資本設備データの入力のためのデータ吟味を行っている。 一方、明治42年データと接続するために、明治35年の従業員10人以上の「全国工場通覧」のデータの入力作業を行った。 これ等の試験用データ・ファイルの編成と並行して,1.ロンジチュージナルデータ・ファイル編成のための照合技法の開発,2.個別情報秘匿値を集計表から復元・析出するプログラムの開発,3.規膜分布の分析プログラムSDAPPのシステム拡張とNISANシステムによる規模分布分析システムの開発拡張を行った。 実験結果としては、1.抽出リストの手作業による照合は効率が低く,2.地域・産業・設立年代の三種類の照合キーに規模変数で管理しないときは、コンピューター処理後の完全照合の手作業による検索効率も極めて低い。従って、3.ロンジチュージナル・ファイルの編成には、規模変数の様に時点間で成長し遷移する変数については、実験的な検討が必要であることが明らかになった。次年度以降ファイルの統合実験と詳細データの入力作業を行い、システムの拡張を行う。
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