研究課題遂行のために以下の実験を行った。 1.試料自身を共振器とする発振についての研究 分光、及びパルス発振の時間分解波形の観測により増巾度を求め、発振の基本的特性を明らかにした。 2.外部反射鏡を用いた発振についての研究 波長可変化へ向けての第一歩の試みとして等価共焦点系の共振器を凹面鏡と平面鏡を用いて形成し、この共振器による軸性モードの発振に成功した。この系を用いて以下の研究を行った。 (1)分光特性 レーザー発振と高次サイクロトロン共鳴との共合関係を見出した。 (2)偏光特性 直線偏光子を用いて偏光度の測定を行い、発振線が隨円偏光であることを明らかにした。 (3)一軸性応力効果 700〜900kg/【cm^2】までの一軸性応力下で実験を行い、一軸性応力により発振の閾電場が560V/cm→270V/cmと著しく低下すること、900V/cmまでの電場域での発振強度が50倍程度強まること、また発振波長も変化することを見出した。 以上の結果は全て本研究課題の目標である長連続可変のレーザ開発のために極めて有用な情報となっており、今後これらの結果を全てふまえた上でFabri-Perot型の干渉を利用した波長選択を行うことにより単一波長、連続波長可変の実現へ向けて実験を進める予定である。
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