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1987 年度 研究成果報告書概要

超深海の海洋計測用耐圧容器の開発

研究課題

研究課題/領域番号 61840012
研究種目

試験研究

配分区分補助金
研究分野 気象・海洋・陸水学
研究機関東京大学

研究代表者

平 啓介  東京大学, 海洋研究所, 教授 (50013579)

研究分担者 宮崎 秀久  日油技研工業(株), 開発部, 部長
深沢 理郎  東京大学, 海洋研究所, 助手 (10143546)
MIYAZAKI Hidehisa  Nichiyu-Giken, Co. Director of Develpment Section
研究期間 (年度) 1986 – 1987
キーワード海洋計測用耐圧容器 / チタン容器 / 自記流速計 / 音響切離装置 / 伊豆小笠原海溝 / 海溝底の流動 / 潮流 / 慣性振動
研究概要

地球上の深部は西太平洋に偏在している. 日本近海は東の日本海溝, 南の伊豆小笠原海溝, 琉球海溝(南西諸島海溝)と1万メートル近い深部があり, いずれも数千kmの長さを持っている. 地球全体で6000m以深の海域は全海洋の3%以下であり, 多くの市販されている海洋測器の耐圧は6000m以下に限られている. そして, 耐圧容器の材質の点でもアルミ容器の使用限界が6000m程度であるために, 単に肉厚の増強では解決できない. 非磁性体であることが, 流速計の磁気コンパスや海底磁力計, その他に要求されるので鉄系の材質による容器は適用限界がある. 本研究ではチタンを用いた深海用耐圧容器を開発し, 流速計および音響切離装置の耐圧を増し, 実際に海溝底の流速測定を行うことを目的とした. 昭和61年度に流速計と音響切離装置を開発し, 1987年1月28日に伊豆小笠原海溝の中心軸附近に〓留系を設置し, 1987年5月11日に回収して104日間の記録を得た. 小型軽量の耐圧容器が12000m以上の深度に耐えることが加圧試験によって確認され, チタンの非磁性のため多くの測器の容器として適用することができるので, 本研究研の目標の1つは完遂された.
海溝底の流動特性の解明は上記の104日間の資料解析により, 9205mの海溝底でも最大流速は10cm/sec, 平均流速1cm/secと予想外に大きいことが世界で始めて明らかにされた. エネルギーレベルの高い変動流は半日周期の潮流, 慣性振動流, 1日周期の潮流, にある. 気象変動によって生ずる慣性振動が底層ほど大きいことは非常に興味あることである. 半日潮と1日潮では潮汐波の進行方向に顕著な差違があることが示された. 平均流も海溝を横断する成分も大きく, 底上20から1620mの範囲では同一方向にほぼ同じ大きさで動いていることが明らかにされた.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 平 啓介: 地学雑誌. 96. 15-20 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 平 啓介: 日本海洋学会誌.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] TAIRA, Keisuke: "Diract measurements of bottom current in Izu Ogasawara Trench- Arecent topic of physical oceanography." Chigakuzasshi(J. of Earth Science). 96. 15-20 (1987)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Taira, K., M. Hukawasa, H. Miyazaki and S. Kitagawa: "Direct meaturements of bottom current in the Izu-Ogasawara Trench." J. Oceanogr. Soc. Japan.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1989-03-30  

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