低周波生物時系列の処理解析システムの開発

1988 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 61840024
• 研究機関: 山口大学
• 研究代表者: 千葉 喜彦 山口大学, 理学部, 教授 (30004310)
• 研究分担者: 田中舘 明博 北里大学, 医学部, 技術係長 (20265747) ; 富岡 憲治 山口大学, 理学部, 助手 (30136163) ; 長谷川 建治 北里大学, 医学部, 助手 (80050558)
• キーワード: 概口リズム / 生物時系列 / 低周波生物時系列 / 電算化 / データ処理 / 時系列総計解析

研究概要

本年度は、62年度までに作成した、6チャンネル型と128チャンネル型の2つの記録システムを用いて、ゾウリムシ、カ、ショウジョウバエなどの動物の活動を対象として、生物時系列を求める実験を行い、それらの有用性並びに問題点を検討し、最終的に次のようなシステムを完成させた。
少チャンネル型 1)システムの操作は、すべて液晶表示パネル上の表示と対話形式で行うことができる。 2)実験中に、液晶パネルやパソコンのアストプットデバイスにいつでもデータ解析結果を表示することができ、長時間に及ぶ実験状況を簡単に把握することができる。 3)各チャンネルを独立に制御でき、一度に多種類の動物を隔離して同時測定することもできる。 4)カ、ショウジョウバエ用に開発したフォトアンプを内蔵し、予備的な実験に即応できる。 5)外部入力端子が設置され、各種トランスデューサからの信号も入力可能である。 6)計数データは、明暗情報と共にパーソナルコンピュータに転送され、プロッピーデイスクに記録され、各種解析処理に用いられる。
多チャンネル型 1)システムの操作は、ディスプレー上の表示と対話形式で行う。 2)各チャンネルのON・OFF状況がディスプレー上に表示され、動物の活動状況が確認できる。 3)各種トランスデューサーが接続できる。 4)最大128チャンネルまで同時計測可能である。 5)計数データはパーソナルコンピュータに転送の後、全チャンネルの1日分が同一のファイルに記録されるが、実験者が必要なチャンネル分だけを解析用データとして振り分け、保存する。
解析プログラムでは、新たに最大エントロピースペクトルを開発し、既に作成されたものについては更に改良を加え、初学者にも使いやすくした。

研究成果

• [文献書誌] Tomioka,K.: Jounal of Insect Physiology. 32. 747-755 (1986)
• [文献書誌] Endo,K.: Zoological Science. 3. 351-356 (1986)
• [文献書誌] Kasai,M.: Physiological Entomology. 12. 59-65 (1987)
• [文献書誌] Tomioka,K.: Zoological Science. 4. 535-542 (1987)
• [文献書誌] Chiba,Y.: Zoological Science. 4. 945-954 (1987)
• [文献書誌] Chiba,Y.: In "Host Regulated Developmental Mechanisms in Vector Arthropod",D.Borovsky and A.Spielman(eds.)Univ.Florida,Vero Beach. 199-205 (1989)
• [文献書誌] Tomioka,K.: Journal of Insect Physiology. (1989)
• [文献書誌] Tomioka,K.: Zoological Science. (1989)
• [文献書誌] Hasegawa,K.: Journal of Biological Rhythms. 2. 269-278 (1987)
• [文献書誌] Hasegawa,Kenji: Physiological Behavior. 42. 397-400 (1988)
• [文献書誌] Hasegawa,K.: Naturwissenschaftenn. 75. 263-265 (1988)
• [文献書誌] 千葉喜彦: "時間生物学ハンドブック" 朝倉書店, (1989)