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1988 年度 実績報告書

走査型トンネル顕微鏡と超高真空走査型電子顕微鏡の同時測定法の開発と応用

研究課題

研究課題/領域番号 61850007
研究機関早稲田大学

研究代表者

市ノ川 竹男  早稲田大学, 理工学部, 教授 (70063310)

研究分担者 菰田 孜  日立製作所, 中央研究所調査部, 主管
大槻 義彦  早稲田大学, 理工学部, 教授 (50063649)
大泊 巖  早稲田大学, 理工学部, 教授 (30063720)
キーワード走査型トンネル顕微鏡 / SEMとSTMの複合機 / エピタキシャル成長
研究概要

本年度の研究実績として次の3つの成果をあげることができる。
1.MoS_2表面の格子欠陥の観察とMoS_2表面にエピタキシャル成長するAu粒子の挙動
MoS_2表面は原子分解能でSTMで観察された。表面の原子構造は殆ど完全に近い。しかし、一部積層欠陥に伴う転位が表面で観察されると共に、一原子層ステップで原子配列がa/3だけずれるのが観測された。MoS_2の結晶構造から解釈して、S-Mo-Sのサンドウイッチ層でステップがおこっていることが明らかになった。MoS_2上のAuの成長は完全に島状成長方式をとり、島ができても、下地の部分は完全に清浄なMoS_2の表面であることを証明した。Auの粒子はSTMで観察中移動し、ステップ部分に集合する。STM観測中のAu粒子の動きから、Au粒子と下地との接合面における臨界剪断応力τcを定量的に求めることができた。チップとAu粒子との静電相互作用から定量的に求めたτcは一般の結晶のそれに比べ10^<-6>小さいことが分った。これが、MoS_2が潤滑剤として用いられる基本的性質であることを明らかにした。
2.STMの画像処理
STMの信号は計算機に取り込まれ、種々の画像処理が可能である。特にフーリェ変換は有効で、実空間の原子配列像と回折図形とを対応できる。この処法は将来走査型LEED顕微鏡でえられた100〓領域のLEED図形を解釈するのに利用できる。
3.走査型LEED顕微鏡と超高真空STMの複合化
超高真空STMは現在超高真空下で原子像がとれるようになった。これを走査型LEED顕微鏡と複合化するとき、試料やチップの真空外からの交換、試料位置の両顕微鏡に対する整合(位置合わせ)、高温試料観察、蒸着しながらの"その場観察等の問題がまだ残されている。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] T.Ichinokawa: Proc.IV th Asia-Pacific Conference and Workshop on Electron Microscopy,Bangkok. 1. 37-46 (1988)

  • [文献書誌] T.Ichinokawa: J.Electron Microscopy Technique. 12. 493-502 (1989)

  • [文献書誌] T.Ichinokawa;T.Ichinose: Jap.J.Appl.Phys.(1989)

  • [文献書誌] 市ノ川竹男: 表面. 26. 728-737 (1988)

  • [文献書誌] 市ノ川竹男: ニューセラミックス. 1. 61-68 (1988)

  • [文献書誌] 市ノ川竹男: 微生物. 5. 18-25 (1989)

  • [文献書誌] 南茂夫,市ノ川竹男: "分光技術ハンドブック:第I,II,III編 電子・イオン分光" 朝倉書店, 63 (1989)

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公開日: 1990-12-19   更新日: 2016-04-21  

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