研究課題/領域番号 |
61850011
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
丸勢 進 名大, 工学部, 教授 (20022981)
|
研究分担者 |
花井 孝明 名古屋大学, 工学部, 助手 (00156366)
下山 宏 名古屋大学, 工学部, 助教授 (30023261)
内川 嘉樹 名古屋大学, 工学部, 教授 (20023260)
日比野 倫夫 名古屋大学, 工学部, 教授 (40023139)
|
キーワード | 低加速電子銃 / 電界放出電子銃 / 磁界重畳型電子銃 / 電子銃 / 超高真空 |
研究概要 |
1.陰極チップ-第1陽極間のダイオード領域に磁界を重畳した場合の電界放出電子銃(FEG)の電子光学特性の計算から、以下の知見が得られた。(1)陰極チップ-第1陽極間電圧を【V_1】、ダイオード領域中の有効磁界に対するアンペア回数をNIとすると、ダイオード領域の特性はNI/【〓!(V_1)】(【ΧΙ】k)の値により、ほぼ一義的に決まる。 (2)kの値を変化させることにより、光源位置及び電子線のangular confinementを任意にコントロールでき、それに伴ない、第1-第2陽極間の減速レンズの収差も変化する。 (3)第1-第2陽極間の減速レンズによる収差の影響をできるだけ小さくするためには、陰極チップ先端に最大値を持つような磁界分布を重畳するのが最も有効であり、かつkの値にも最適値が存在する。また、その時の放出電流の利用効率は、1桁以上改善される。 2.イオンポンプ,ターボ分子ポンプからなるドライ排気系を備えたFEGの組み立ても順調に完了し、現在電子銃全体を充分な高温度でベーキングすることにより、当初目標とした【10^(-8)】Pa台の超高真空が達成されている。FEGの各機能が正常に動作することの確認を終え、現在数10μAの電界放出電流が安定に得られるようになっているが、放出電流を増加させると真空度が若干悪くなるので、枯らし運転をなお続行中である。 3.浮遊電磁界対策の予備実験として、浮遊電磁界の影響によって受ける電子線のゆれを電子流の変化として検出し、これを偏向器にフィードバックすることによって電子線のゆれを打ち消す実験を、現有の透過型電子顕微鏡を利用して行なった結果、その影響を問題のない程度にまで抑えることができた。
|