研究課題
(1)RFQライナック構造の計算上射速度500m/s〜200m/s(0.1μm直径のNi微粒子を100KV〜200KVで加速したときに相当)に対し、RFQライナックの構造計画を行なった。入射速度が変っても3m程度加速すると、何れも3km/s位の等しい速度になってしまうことが数値計算によって明らかになった。このことは今後の種々の設計計算上非常に有用な制限である。(2)モデルRFQの電場測定小型ダイオードをRFQ電極間に置いて整流電流を測定することにより電場分布を求めようとしたが、閉回路を横切る磁束変化による電流のバックグラウンドが大きすぎて測定できなかった。この周波数帯での電場分布測定法が確立されていないので、今後便に各種の方法を検討して行く予定。(3)高周波増巾器の製作40KHz,20KVp-pの高周波増巾器で一番の問題点は、懸念した通り、放電による絶縁破壊であった。直流電圧なら1.5倍近くも耐圧のある絶縁碍子が簡単に破壊されてしまったが、大型碍子を用いて放電を逃げることができた。今後この周波数帯での絶縁破壊を折にふれて試験して行く予定(4)マクロンイオン源電源の小型化マクロンイオン源の必要電力は非常に小さいため、電源はすべてモジュールされたものを用い、高電圧端での電力供給は自動車用蓄電池を用いてコンパクトにした。(5)加速管システムの製作イオン源 偏向系 真空加速系の全システムの製作を完了し、組立の段階に入った。次年度早々にマクロン加速テストを行なう予定。