研究概要 |
1.要素テスト (1)プローブ部光学系の接着部分の耐低温テスト:通常型用のものに代えて、耐低温接着剤(スタイキャスト)を使用すべきことが分った。 (2)単一モード光ファイバーの低温暴露試験:機械的強度には問題はない。しかし光吸収が-60℃以下で急激に増加し、かつ単一モード性も悪化することが判明した。これは、ファイバーとその保護材としての外被(ナイロン)との間の熱収縮の差によって生じるファイバーの座屈によることが明かとなった。 2.校正用ベローズポンプのテスト 超流動液体ヘリウム(He【II】)中での正常な動作が確認され、液体窒素とHe【II】中とで校正が行なわれた。ポンプは窓付クライオスタット中に置かれ、外置きの通常型レーザードップラー流速計(常温用)を用いた。設定可能流速は、ポンプ出口ノズル位置で1mm/Sから15cm/Sである。 3.低温用プローブの基本設計の検討(まとめ) (1)設計上の重要ポイントは、光ファイバーとして通常型を採用するか、ナイロン外被を取除いた裸ファイバーを使うかにある。前者では、光吸収を避けるためヒーターを取付けて-60℃以上に温度コントロールする必要がある。 後者では、直径5μmのファイバーを裸で扱うという問題点が指摘される。 (2)ヒータ加熱型の問題点:真空断熱による熱リーク最小化,ヒーター及び真空断熱等に関連したプローブの大型(太くなる)化の問題 (3)裸ファイバー型の問題点:細いことから取扱いと機械的強度に因難あり、また、プローブ光学系のレンズ・ファイバーリンク部に設計変更の要あり。
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