研究概要 |
1.複合慣性航法システムを構成するストラップダウン型慣性航法系の主要アルゴリズムを実時間性を考慮して開発した。特異性を避けるため姿勢変数はクォータニオンを採用している。目標の最小時間間隔は20msであるが、この点については計算機ハードウェアとの関連もあり次年度において検討する。尚、アルゴリズムの正確性は種々のシミュレーションによって確認されている。 2.複合慣性航法システムの他の構成要素である星画像系については、全天における6等星以上の恒星について総数約5000個星カタログをデータベースとして登録した。更に、8°×8°の視野に入る数個の星像より、視線方向の緯度,経度を計算するアルゴリズムを開発し、シミュレーションによって正常に作動することを確認した。ある特殊な条件下においてはミスマッチの可能性があるが、この対策についても拾得した。 3.星画像系については、フィールド試験の一環として3等星以上の明るい星について実際にCCDカメラによって得られた星画像についてアルゴリズムのチェックを行い正常に作動することを確認した。 4.慣性航法系と星画像系の複合化については総合するアルゴリズムの開発は終了し、種々のシミュレーションによって確認作業を行っている状態である。ハードウェアについては各部の動作確認及びインターフェース部の調整を行っている段階であり、これらの終了後、複合系の総合確認試験を行う予定にあり、その段取り作業を計画中である。
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