研究概要 |
レーザー外径測定器(アンリツ(株)製M-522AS型)を購入し、これを用いて微小変位計測装置を構成した。さらに、赤外線ゴールドイメージ炉(真空理工(株)製P-65CP型)を購入し、その、1,000゜C〜1,300゜Cの範囲の炉内温度分布を測定した。また、窒化けい素セラミックスの常温における基本的な強度特性を把握するために、平滑試験片,ヌープ圧子により予き裂を導入した試験片およびシェブロンノッチを導入した試験片に関する四点曲げ破壊試験を実施した。そして、これより破壊靭性値KICを求めた。得られた主な結果は次のように取りまとめられる。 1.レーザー変位測定器をを用いて四点曲げ試験中の窒化けい素セラミックスのたわみを測定した結果、破壊までに生じる200〜300μm程度の微小変位を測定範囲の約2%程度の精度で非接触的に測定可能であることが判明した。 2.赤外線ゴールドイメージ炉にはレーザー光線を通過させるための石英ガラス製の窓を設けてある。これが1,000゜C〜1,300゜Cの範囲の温度分布を設定温度の±1、0%以内に抑えることが困難な主な原因になっていいる。これを克服するためには炉内の治具の配置等についてのより詳細な検討が必要である。 3.ヌープ圧子による予き裂導入試験片においては、焼鈍材の破壊靭性値の方が非焼鈍材のそれより大きい。また信頼性の高い破壊靭性値が得られるとされているシェブロンノッチ試験片による破壊靭性値は焼鈍材のそれに近い値をとる。それ故、ヌープ圧子による予き裂導入材を用いて破壊靭性を評価する際には、残留応力を除去するめこれに焼鈍を施すべきである。 4.ヌープ圧子により予き裂を導入する際、等価き裂長さaeをae【>!〜】0.1mmとすべきことが示唆された。すなわち、ae【>!〜】0.1mmのき裂長さ域においてはき裂寸法の増加につれて破壊靭性値は減少し、ae【>!〜】0.1mmのき裂長さ域でこれが一定値に収束することがわかった。
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