研究課題/領域番号 |
61850023
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐藤 寿芳 東大, 生産技術研究所, 教授 (10013103)
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研究分担者 |
大堀 真敬 東京大学, 生産技術研究所第二部, 助手 (90143528)
谷 泰弘 東京大学, 生産技術研究所第二部, 助教授 (80143527)
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キーワード | 走査電子顕微鏡 / 反射電子画像 / 画像処理 / 表面粗さ / 表面形状 / ディジタル処理 / 3次元表示 / 加工精度計測 |
研究概要 |
本年度は走査電子顕微鏡(SEM)表面形状測定機能向上についての基礎的な研究をすすめた。これをすすめる上での設備として電子加速電圧0.5〜30KV(32段)の可変、電子ビーム入射角±7゜の可変、最小ビーム径5nm、最大観測可能試料径125mmφのSEMの設備をはかった。上記性能のうち、電子ビーム/可変の機能は特註のものである。この他、可能な限りの多量の反射電子を検出するような反射電子検出器の配置とすること、画像信号のディジタル信号処理を可能とすること、電子ビーム自体のディジタル走査を可能とすること等について配置を終ると同時に、一部は次年度の完成を目指して製作をすすめている。 これらの機能向上を可能とする設備の設置、充実に加え、これらが利用可能となった時に従来の方法の限界をSEMの機能向上に対応して向上しうるように、すでに開発してきた方法の整備をはかっている。すなわち、法線検出による形状測定の方法では、対象試料の反射電子像の信号の強さを標準球の像の信号の強さとを比較して、標準球の法線に対応して試料の任意の点の法線を求めている。しかし、これまでは、像を構成する信号の強さの幅と、ディジタル処理をする際のビット情報のもちうる幅とは対応が充分でなく、像の構成信号の持つ情報を充分に生かしえないきらいがあった。像構成信号の規準化とディジタル処理信号との対応化を作表することによって容易に行いうるようにし、ディジタル処理の機能を生かした測定精度向上可能となるようにしている。 従来の方法によっても、回折格子、ダイヤモンドバイトの刃先等の形状測定が可能であったが、新しいSEMの機能に加え、上述の諸準備によって、測定分解能の向上、信号の処理による新たな知見の獲得等が期待される。
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