研究概要 |
本年度はまず、システムの基本となるリニア型圧縮機の設計試作を行った。特性試験の結果、左心室駆動用,右心室駆動用の両圧縮機とも圧力,流量について十分仕様を満足することが分かった。またその圧力・流量特性曲線も、線形近似することが可能で、制御性の良いことも確認できた。また圧力容器や空気圧配管系の設計試作も行った。装置の外形は、直径φ262×高さ493〔mm〕となった。さらに駆動用電磁弁も開発した。この電磁弁の重量はわずか150〔g〕で、消費電力も1.7〔W〕と従来品に比較して性能を向上させることができた。電源用二次電池のパッケージ化を行ったが、重量や形状が比較的大きくなってしまったため、今後改良を加えなければ、収納する際に問題が生じるものと思われる。ワンボードマイクロコンピュータの代わりにワンチップマイクロコンピュータを採用し、制御用電子回路の小型化を計った。リニア型圧縮機の消費電力が比較的大きいため、これを駆動するための電子回路の放熱に問題があることが分かった。今後、FET等の素子を用いたり、放熱板を大きくすることなどで対処していく必要があろう。また圧力センサ,入力用キーボード,出力表示用液晶表示装置などインターフェースの設計試作を行った。入力は対話形式とし、その具体的なシーケンスについても検討を行った。初期の計画では、制御用のソフトウェア開発の基本構想として、線形多入出力最適追従制御方式により制御する予定であったが、シミュレーションの結果などから、この方式では制御が困難なことが判明した。このため、制御量である左心駆動陽圧,右心駆動陽圧,陰圧に優先順位を着け、古典制御理論を用いて順次整定させていく方式を採ることにし、開発を行った
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