研究概要 |
(1).アモルファス薄帯化条件の選定:単ロール方式によって、直径120mmCuロール,溶融温度1000℃,噴射圧0.3〜0.6kg/【cm^2】,ノズル径0.5〜0.7mmで【Nd_x】-【Fe_(90-x)】-【B_(10)】(x=13.5〜16.5at%)を薄帯化できることを明かにし、次項の研究をすすめた。薄帯化条件の機械的性質に及ぼす影響の検討には至らなかった。 (2).瞬間結晶化制御による超高保磁力化:非晶質化したNd-Fe-B系薄帯を赤外線イメージ炉を用いて、真空度【10^(-5)】Torr、結晶化温度650℃まで急速に温度上昇させたのち直ちに急冷すると、硬質化できる。 【Nd_x】【Fe_(90-x)】【B_(10)】での保磁力のX(=13.5〜16.5at%)依存性,および【Nd_(15)】【Fe_(85-Y)】Byでの保磁力のY(=4.5〜10)依存性を調べたところ、前者についてはNd=15at%で最大保磁力11kOeを、後者についてはB=10at%で同じく11kOeの高保磁力を示すことが明かとなった。 【Nd_(15)】【Fe_(75)】【B_(10)】は非晶質化が容易で、超急冷後も僅かに硬質相を含むにすぎず、保磁力附近でのdM/dH(M:磁化の大きさ,H:磁化力)が大きく、磁壁がピン止めされる力の値がほぼ揃っていることが推測される。M-H曲線も角ばっており、(B・H)maxも【Nd_(15)】【Fe_(80)】【B_5】よりも大きい。 一方、【Nd_(15)】【Fe_(80)】【B_5】は非晶質化が困難で、超急冷後もかなりの硬質相を含んでいる。結晶化のM-H曲線は保磁力の高い割には残留磁化が小さい。保磁力附近でのdM/dHが小さく、場所によって保磁力の大きさにバラツキがあると推測される。より高磁化力下での特性を検討する必要がある。
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