研究課題/領域番号 |
61850057
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子通信系統工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池上 文夫 京都大学, 工学部, 教授 (20093180)
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研究分担者 |
白幡 邦彦 三菱電気, 通信機製作所, 次長
菊間 信良 京都大学, 工学部, 助手 (40195219)
竹内 勉 京都大学, 工学部, 助手 (20154974)
吉田 進 京都大学, 工学部, 助教授 (50026324)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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キーワード | 移動通信 / ディジタル移動通信 / ビット誤り率 / 多重波伝搬 / フェージング / 指向性アンテナ / 遅延プロフィール |
研究概要 |
高速ディジタル移動通信に適した新しい変復調方式としてDSK(Doublephase Shift Keying)を考察し、計算機シミュレーシン や室内実験により有効性を確認した。本研究では、高速DSK送受信機を試作し、多 重波伝搬構造が極めて複雑な実際の市街地において、耐多重波特性を実験的に確認す るとともに、都市内の多重波伝搬特性を解明し、ビット誤り率特性との関連を明らか にし、高速ディジタル移動通信実現のための突破口の可能性追究を目的とした。主要 研究成果は以下の通りである。 1.1Mbpsまでの高速伝送が可能なDSK及び比較のためのBPSK送受信 機を試作した。変調器はベースバンド波形をROMに記憶させ、選択的に読み出す直 交型であり、復調はSAW素子による遅延検波である。室内実験用として30μse cまで信号を遅延できる多重波遅延シミュレータも試作した。 2.京都市街地における野外実験の結果、DSKは多重波遅延が有効範囲内(0 .5ビット以内)の場合には優れた誤り率特性を示すことが確認できた。京大構内で は512kbps、京大周辺道路上では128kbpsの伝送が可能であった。遅延 が有効範囲を越える場合には従来の方式と同程度の誤り率を生じた。 3.指向性アンテナは長い通路差を持つ遅延波を除去するのに効果的でありDS KおよびBPSKともに顕著な誤り率の改善効果が認められた。従ってDSK等の耐 多重波変復調方式と指向性アンテナによるダイバーシティ受信の組合せは高速ディジ タル移動通信の有力な候補になると考えられる。 4.多重波遅延プロフィールの測定装置を試作した結果、市街地及び郊外地の遅 延特性を把握し、その原因となる建物や山を確認した。これらの遅延波と誤り率の関 係を明らかにし、通常の変調方式で50〜100kbps以上の伝送では誤り率は1 0^<-3>程度以下にはならず長い遅延波が存在すると誤り率は10^<-1>程度に まて劣化することを明らかにした。
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