研究分担者 |
柿沼 淑彦 郵政省, 電波研究所, 室長
白鳥 則郎 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (60111316)
根元 義章 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (60005527)
坂田 真人 東北大学, 大型計算機センター, 助教授 (60006335)
長沢 庸二 鹿児島大学, 工学部, 教授 (80005313)
KAKINUMA Yoshihiko Radio Research Laboratory Ministry of Posts and Telecommunications
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研究概要 |
本研究では将来わが国の学術研究のための情報ネットワークのプロトタイプとなり得る小規模地上局による衛星ネットワークシステムの実用化とネットワークの大規模化及び複雑化に十分対処するためプロトコルと通信ソフトウエアの統一的な開発を可能とするシステムの構築について検討し, 以下の成果を得た. 小規模地上局による衛星学術ネットワークに関しては(1)地上LANとの接続を取り上げ, 新たなネットワークアクセス方式を提案し性能評価を行った. その結果, 接続方式としては, 地上LANへのアクセス方式も衛星ネットワークと同様に予約方式を採用する方が優れていることが明らかになった. また, ふくそう制御方式についてその特性を明らかにした. 次いで(2)多数の小規模地上局を対象とした同報通信方式について, 実験的に性能評価を実施し, 実用化のための資料を得た. また, (3)学術目的の広域ネットワークとして計算機科学者のためのネットワーク(JUNET)を取り上げ, 衛星ネットワークの特徴を十二分に発揮できる結合方式を検討し, これを確立した. 試作のシステムは, 可搬性に十分考慮し, 実用化を図った. 本研究で対象とする通信システムの実用化には, プロトコル仕様を実現する通信ソフトウエアの自動形成システムの構築は極めて重要な課題である. そこでこの自動形成システムの核となる知的開発支援システムの構成について検討した. 具体的には, (1)開発支援システムの構成要素である仕様記述言語, 高級言語, 検証法, エディタ及び変換アルゴリズムの設計, (2)ユーザフレンドリなインターフェイスの設計, を実施した. 更にこれに基づく(3)通信ソフトウエアの自動形成システムの構築を行い, ネットワークの実用化に対する資料を得た. 以上のように成果として, 初めて学術利用広域ネットワークと衛星ネットワークとの結合に成功し, また実用的なプロトコルの開発を実施し得, 研究の目的は達せられたと言える.
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