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1986 年度 実績報告書

サブピコ秒時空間波形解析装置の試作と試作機によるソリトン相互作用の解析

研究課題

研究課題/領域番号 61850066
研究機関東北大学

研究代表者

沢田 康次  東北大, 電気通信研究所, 教授 (80028133)

研究分担者 中島 康治  東北大学, 電気通信研究所, 助手 (60125622)
大矢 銀一郎  東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (00006280)
キーワードソリトン相互作用 / ソリトン・反ソリトン対消滅 / ジョセフソン接合 / ジョセフソン・サンプリング・システム / ブリーザ・ディケィ / ローレンツ収縮 / サブピコ秒時空間波形解析
研究概要

サブピコ秒時空間波形解析装置の試作は現有ジョセフソン・サンプリングシステムを基本として行い、被観測波形の入力に対する時間掃引部を電気的な掃引法により構成した。この段階でシステムとして最低限の動作を行うため、超伝導回路を鉛合金系により製作し時空間波形解析装置の原理を検証する実験を行った。この実験により量子・反量子ソリトンの衝突後の対消滅過程を時空間にわたる直接観測波形として得ることに成功した。この結果は固体内の量子ソリトンの相互作用を直接にとらえた、これまでに例のない初めての成果である。これにより時空間波形解析装置の原理が実証されたとともに、量子ソリトンがローレンツ収縮を行うこと、対消滅にあたってブリーザ・ディケイモードを取ること、衝突消滅には約10psの時間が必要なこと等が初めて実験的に証明された。これらの結果は数値解析との比較においてもよい対応を示し、装置自体の高い精度も保証された。研究会の発表においても高い評価を受け、現在論文として投稿準備中である。さらにサンプリングシステムの高速化と測定データの詳細な解析のための計算機処理用のデータ転送システムについて構成を進め予備実験を終了した。現在各種の超伝導回路について測定データの集積中であるとともにさらに新しい超伝導回路部の設計を進めている段階である。当初の大きな一つの目標であった時空間波形解析装置自体の原理証明とソリトン相互作用の観測が達成されたため、今後は細部の改良とデータの集積、新しいソリトン相互作用観測用のマスクパターン設計へと主力を移す予定である。ジョセフソン・サンプリング・システムのサブピコ秒化についても高電流密度ジョセフソン接合の製作条件を検討中であり、本装置の分解能向上に向け各種の改良を加えつつある。最終的には鉛合金系からNb系への移行が必要と判断されるがその方向の可能性も現在模索中である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Y.Sawada;A.Dougherty;J.P.Golub: Phys.Rev.Letters. 56. 1260-1263 (1986)

  • [文献書誌] K.Nakajima;A.Fujimaki;Y.Sawada: Journal of Applied Physics. 60. 3786-3788 (1986)

  • [文献書誌] A.Fujimaki;K.Nakajima;Y.Sawada: Japanese Journal of Applied Physics. 26. 74-80 (1987)

  • [文献書誌] 沢田康次,中島康治: Computer Today. 4. 59-64 (1987)

  • [文献書誌] A.Fujimaki;K.Nakajima;Y.Sawada: Journal of Applied Phaysics. (1987)

  • [文献書誌] A.Fujimaki;K.Nakajima;Y.Sawada: Physical Review Letters. (1987)

  • [文献書誌] 沢田康次 その他: "極微構造エレクトロニクス" オーム社, 522 (1986)

  • [文献書誌] Y.Sawada,et.al.: "英文版「超伝導電子工学」(仮称)" オーム社, (1987)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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