研究課題/領域番号 |
61850089
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤田 嘉夫 北海道大学, 工学部, 教授 (10001067)
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研究分担者 |
高田 宣之 北海道大学, 工学部, 助手 (30001225)
佐伯 昇 北海道大学, 工学部, 助教授 (80002004)
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キーワード | 鉄筋コンクリート / 鉄筋腐食 / 中性化 / 塩分浸透 / 電気防食 / ひびわれ / かぶり / 表面保護 |
研究概要 |
コンクリート構造物が20〜30年を越えるものが多くなるにつれて、沿岸にある構造物あるいは海砂を使用した構造物に鉄筋の腐食による損傷の報告が増加している。本研究ではコンクリートの中性化、塩分濃度による腐食の進行の度合を明らかにし、これを基にコンクリート構造物から採取した試料と照合することにより腐食程度を評価し、補修の必要性を判断する場合の基準を求めた。一方コンクリートの表面処理法、電気防食法などによる補修効果について調べた。その結果次のような結論が得られた。 1.コンクリート構造物の腐食損傷の評価 コンクリート中に含まれる塩分濃度が塩素イオンに換算してセメント重量の0.2%程度であると腐食を開始すること、この量は混り練ぜ時の量であるので硬化コンクリートから測定した場合これより低くなること、腐食は塩素イオンが含まれるとpHが高くとも起りcl/OH比が腐食発生に重要なこと、かぶりが厚いと鉄筋近傍のひびわれによる中性化の進行は遅く、かぶり厚さが防食に対して効果が大きいこと、塩分浸透もかぶり厚さが深ければ影響が少ないこと、自然電位によって腐食程度を判断するには、データが多いことが必要であることなどがわかった。 2.コンクリート構造物の腐食に対する補修対策 補修に際し上述の塩素イオンがセメント重量に対して0.2%以上のコンクリート部分を除去すること、鋼板接着法により補修したRC桁について、繰返し荷重時の鋼板応力が【700^(Kgf)】/【cm^2】以下であれば、ひびわれ、たわみとも増加しないこと、疲労耐力は溶接部が問題であること、鋼板接着による防食効果が認められるることなどがわかった。樹脂塗装などによる表面処理法は施工法に大きく左右されることがわかった。
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