研究課題/領域番号 |
61850090
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡村 甫 東大, 工学部, 教授 (30010664)
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研究分担者 |
橋本 親典 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (10180829)
前川 宏一 東京大学, 工学部, 助教授 (80157122)
清水 敬二 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (50143813)
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キーワード | フレッシュコンクリート / ポンプ圧送性能 / 管内閉塞 / 材料分離 / 可視化実験手法 / 粗骨材濃度 / 流動性 / 変動性 |
研究概要 |
1.今年度に新たに開発された試験装置、試験方法および解析システムについて以下に示す。 (1)圧送現場における配管を直管部,ベント管部,分岐管部の3要素に分離し各々の管要素とそれらの組合わせを圧送管として用い、流速や圧送圧力勾配や圧送時間を任意に制御できるピストン往復型のコンクリートポンプ試験装置を開発した。 (2)管内流動状態におけるモルタル相と粗骨材粒子の力学的挙動を実験的に観察することを目的として、実際のフレッシュコンクリートの流動性とほほ同じ性状を有する可視化モデルを、高分子材料や軽量骨材等によっって開発した。 (3)可視化モデルによるコンクリートポンプ圧送の可視化実験を行い、管内流動状態や閉塞状態における粗骨材粒子やモルタル相の挙動を観察・追跡するためのビデオシステムを、またこのビデオシステムで記録された画像データのデジタル化および解析手法を開発した。 (4)管内流動状態におけるモルタル相と粗骨材の材料分離の程度を定量化することを目的とし、コンクリートの電気特性を応用することにより任意断面における粒骨材濃度を測定するセンサーおよび測定システムを開発した。 2.今年度に行った研究によって得られた新たな知見について以下に示す。 (1)テーパ管、ベント管や分岐管における流動状態では、モルタル相と粗骨材粒子に相対速度が存在し、テーパ管での管内閉塞は、この相対速度に起因する粗骨材相とモルタル相の動的材料分離がある限界値を越えると発生する。 (2)この動的材料分離は、テーパ管管軸方向の粗骨材濃度分布の平均値と平均値まわりの乱れた関係があり、実際の圧送中のコンクリートにおいて動的材料分離を定量化するためには、管軸方向の断面粗骨材濃度分布の測定が有効な手段と考えられる。
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