研究課題/領域番号 |
61850101
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松尾 友矩 東大, 工学部, 教授 (80010784)
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研究分担者 |
田中 修三 明星大学, 理工学部, 講師 (00171760)
山本 和夫 東京大学, 工学部, 助教授 (60143393)
中村 忠 オルガノ(株), 総合研究所, 課長
綾 日出教 武蔵工業大学, 土木工学科, 教授 (60010675)
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キーワード | 膜分離法 / メンブレンバイオリアクター / 膜分離活性汚泥法 / 下廃水処理 / 好気性処理 / 嫌気性処理 / 限外ろ過 / 精密ろ過 |
研究概要 |
本年度は以下の点について研究分担者をそれぞれで研究を分担し、松尾が総括した。松尾、山本は人工下水を用いた生物処理実験を行ない、分離膜の種類と透水速度及び処理水質の関係を調べ、次のような結果を得た。1)分画分子量1万〜30万の範囲の限外3過膜(U下膜)では、分画分子量が大きい程透水速度も大きくなるが、それ以上では一定となり、さらに表面孔径が大きくなりある限界を超えると、膜の中に目詰まりが起きて、逆に透水速度は低下する。2)本研究で調べたUF膜(分画分子量1万〜300万)、精密ろ過膜(MF膜、孔径0.1〜1.0μm)の範囲では、処理水質は膜の分画分子量あるいは孔径にほとんど関係なく、良好な処理水質が得られる。3)槽内MLSSの増加に伴い槽内上澄水のCODが増加し、高分子物質の蓄積が認められた。4)ゲルクロマトグラフィーで槽内上澄水を分画定量したところ、槽内蓄積物質の大部分は、分子量10万以上の物質であった。5)槽内MLSSと透水速度には有意な関係は認められなかった。また、松尾、山本は活性汚泥曝気槽に直接中空糸モジュールを浸漬し、呼引ろ過を行うシステムを試作し、運転条件等予備的検討を行なった。中村は研究会等で各研究について助言を与えた。 綾は、膜分離法を用いた嫌気性処理システムの実験的検討を行ない、流入TOC16,000mg/lに対し、処理水TOC60mg/l、ガス発生速度3.2l/dを得た。また、本法をガス廃液処理に適用し、滞留20時間程度でTOC除去率80%以の結果を得、後段の活性炭による吸着と組み合せて、コークス濾ガス廃液の無希釈処理が可能であることを示した。田中は、上向流濾床を用いた二相嫌気性消化における相分離の効果について検討を行ない、脂質は酸生成相で分解されず高級脂肪酸の形にとどまるが、かえって酸生成相の菌体に吸着された高級脂肪酸はメタン菌に阻害を及ぼさず、相分離効果があることを明らかにした。
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