研究課題/領域番号 |
61850104
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
吉見 吉昭 東京工大, 工学部, 教授 (90016329)
|
研究分担者 |
畑中 宗憲 竹中工務店, 技術研究所, 研究員 (60333019)
時松 孝次 東京工業大学, 工学部, 助教授 (50134846)
|
キーワード | 液状化 / S波速度 / 礫 / 砂 / 地震 / システムコンプライアンス |
研究概要 |
礫の変形強度試験を行う際に問題となるシステムコンプライアンスを除去した繰返しせん断試験システムを作成した。システムは、コンピュータと電気圧、空気圧回路から成り、オンラインでシステムコンプライアンスによる誤差を補正した実験を行うことが可能である。システムの妥当性を実験及び解析結果と比較検証した。その結果、本システムはシステムコンプライアンスを除去した精度の高い試験を行うためのシステムとして有効であることが示された。 繰返し三軸せん断試験装置を用いて、初期せん断剛性と繰返しせん断強度(液状化強度)を求めるための室内試験を実施した。密度、拘束圧、砂の種類を変化させて行った実験結果から、(1)砂の種類と拘束圧を統一した実験結果間では、密度によらずせん断剛性と液状化強度の間に良い対応関係が認められるが、(2)砂の種類又は拘束圧に違いがあると、もはやせん断剛性と強度の間に一義的関係の見出せない場合のあることが分った。 砂の種類と拘束圧の違いが、初期せん断剛性に与える影響を補正するため正規化せん断剛性を定義した。実験結果を正規化せん断剛性を用いて整理すると、砂の密度、種類、拘束圧にかかわらず、正規化せん断剛性と液状化強度の間に比較的良い相関関係があることが分った。 以上の結果に基づいて、S波速度から礫地盤の強度を推定する手法を提案し、その妥当性を原位置凍結サンプリングされた礫試料を用いて検討した。その結果、実際の礫地盤に対しても、室内試験により求められた正規化せん断剛性と液状化強度の関係が、有効であることが分った。このことから、S波速度、拘束圧、土の間〓比等から定義される正規化せん断剛性を用いて礫材料の液状化強度を簡便に推定できる可能性が示された。
|