研究課題/領域番号 |
61850109
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡田 光正 阪大, 工学部, 教授 (40028931)
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研究分担者 |
横田 隆司 大阪大学, 工学部, 助手 (20182694)
吉村 英祐 大阪大学, 工学部, 助手 (50167011)
柏原 士郎 大阪大学, 工学部, 助教授 (70029164)
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キーワード | 避難シミュレーション / ネットワークモデル / 視覚情報 |
研究概要 |
本年度は、3次元ネットワークモデルによる火災時の避難シミュレーションシステムの構築ならびに基礎データの準備作業を行なった。従来、他の研究機関で開発されてきたシステムは2次元モデルであり、本来、上下階のつながりを考慮しなければならない建築への適用に限界があること、および、避難行動のルールが、避難階段等の避難施設に誘引されるように行動するようになっており、人間の避難行動があまりにも整然と行なわれる傾向が強いという問題が十分に解決されていなかった。また、設計へのフィードバックという点についても、従来のシステムは、準備すべきデータ量が膨大であったり、システムの操作性、結果の読み取りやすさに問題があり、設計への採用の役割を十分に果たせないものが多かった。これらの諸問題を解決するため、本システムは、3次元ネットワークモデルとして構築され、CRT上のカラーグラフィックで確認しながらマウスでデータを入力し、入力を容易にするとともに、入力ミスの発生を極力押えるようにした。また、避難行動のルールは、避難方向を主として視覚情報のみに依存し、避難階段やバルコニー等の安全域の視認、通路の見通し、煙の存在の有無およびその濃度等を判断して避難行動を決定するようにしたため、かなり現実感のある避難行動の再現が可能になった。また、結果の出力形式も、CRT上へのカラーグラフィック表示の他、プロッタ出力とプリンタによる数値データ出力の3方法が可能で、シミュレーション結果の様々な検討を容易に行なうことができるようになった。 本年度で、一応システムの概略構築という目的を達成した。来年度は、避難行動ルールの精致化とともに、実際の建築物にモデル適用して、避難対策の立案およびその有効性の検討を進める予定である。
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