研究課題/領域番号 |
61850117
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
平林 真 東北大, 金属材料研究所, 教授 (00005836)
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研究分担者 |
進藤 大輔 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (20154396)
梶谷 剛 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (80134039)
小野塚 喬 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (10005936)
平賀 賢二 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30005912)
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キーワード | 透過電子顕微鏡 / 高温ステージ / 動的記録 / 高分解能観察 / 相変態 / 合金規則構造 |
研究概要 |
1.本年度は在来の高温加熱ステージを用いた予備実験を行うことと、新しい高温ステージの方式を策定することを目標とした。前者に関しては、Ag-MgおよびAu-Cu合金の相変態の動的拳動の観察を、200KV電子顕微鏡(2000EX)を用いて行った。Ag3Mg合金は1次元長周期規則構造をもち、その周期Mは一般に非整数である。M=1.81の合金試料中ではM=2の整数周期構造中にM=1のせまい領域が直線状に混在している。これを電顕内で300°C以上に加熱し、両者の混在状態の変化を動的に記録することができた。これは非整数→整数の周期構造変化の直接観察に初めて成功したものと評価できる。さらに同様の手段を用いて、AuCu合金の350°C付近におけるM=51次元長周期規則構造の形成過程の直接動的観察を行った。VTRシステムを用いて逆位相境界の移動、成長あるいは消滅をreal-timeで記録できた。これらの結果は、合金相変態の研究に新しい情報を提供するだけでなく、高温高分解能への電子顕微鏡法の応用範囲の拡大を確信させるものである。 2.以上の結果は、点間分解能0.5-1nm程度の限度でえられたものであり原子スケールの観察研究にはなお不十分といわざるをえない。その理由の一つは、試料ホールダーがサイドエントリータイプであるため、微弱な振動が伝わることである。この点を克服するため、トップエントリータイプのゴニオメターの開発を進めることとし、現在実施中である。予定よりやゝおくれたが、次年度にはこれを用いた、より高い分解能の加熱実験を行う予定で準備している。 3.なお、高温実験と平行して、低温高分解能観察のためのステージの試作とそれを用いた研究も続行している。VTR-撮像記録系は高温・低温に共用できるからである。
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