研究概要 |
昭和61年度においては、まず当初の計画通り、本研究を推進するための主要研究設備の一つである雰囲気制御型半溶融焼結装置の制作を行い、完成した装置を用いて、各種の金属-セラミック系混合粉の半溶融焼結実験を開始した。その結果、適当な加熱条件の下では、これら混合粉の焼結が十分可能であることが明らかになり、現在、得られた焼結体の機械的な諸特性の解明を急いでいる。今後、これらの焼結体を素材とする各種の半溶融加工(鍛造・圧延・押出し)を試み、二次加工技術の開発を目指すと共に、得られる製品の特性・機能について調査を進め、本研究の目標とする高度の構造機能性を得するための最適な加工プロセスの探索を行う予定である。 これとは別に、半溶融鍛造・半溶融押出し・半溶融圧延を複合化した各種のプロセスにより、同様な新構造機能性材料の開発を推進し、制振性・耐摩耗性・二次加工性等に秀れた複合鋼板,摺動機械部品,各種ロール等の開発研究を進めている。また、同じく半溶融複合加工プロセスにより、近年開発が進んでいる各種の高合金粉を板材・棒材・管材等に成形・加工する問題についても研究を進め、有効な製造・加工プロセスを明らかにしつつある。なお、これらの成果の一部は、別紙の通り既に学会において報告してある。
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