研究課題/領域番号 |
61850128
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大蔵 明光 東大, 生産技術研究所, 教授 (90013151)
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研究分担者 |
荻原 茂示 三菱化成工業株式会社, 炭素事業部, 部員
本田 紘一 東京大学, 生産技術研究所, 教務職員 (80092328)
張 東植 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (90092270)
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キーワード | セラミックス / SiC / C複合材料 / 複合材料 / セラミックス繊維 |
研究概要 |
(1)PAN系炭素繊維の表面改質について PAN系炭素繊維(ランダム結晶構造)を不活性ガス中で加熱(860℃)し、表面酸化処理剤を水素ガスにより還元除去し、表面改質をおこなった。その結果800℃、4時間で表面改質がほぼ元了することを確認した。表面改質後は活性点に水素分子が吸着しているため、空気中に放置しても処理前のように空気中の湿分の吸着はない、この処理によってランダム構造中の活性点、すなわちプリズム面が露呈し、この面に水素分子が吸着していることなる。 (2)溶融炉の製造 Si(硅素)を溶解するために超高速昇温電気炉一式を購入し、改良後溶解システムを設計試作した。 (3)Sic繊維の試作実験 上記溶解炉を用いてSiの溶解実験をおこなったが、溶融アルミチルツボ使用の場合、昇温時に十分注意を拂わないと熱衝害のため破損する、またこの点を考慮して炭素ルツボを使用したが、ルツボ壁-メタル界面で反応を起していることがわかったが、この反応は当研究の目的遂行には問題にならない点を考慮し、以後の実験には、素ルツボを使用し現在実験中である。 中間実験結果では、抵弾性炭素繊維ではSiとの反応によって多結晶B-SiCを形成していることがわかった。顕微鏡観察の結果では1.0〜1.5μmの結晶で、炭素繊維中心部には約5%位の未反応炭素が残っている様子が観察された。実験はバッチ式であり使用繊維束へのSiの浸透と反応によって、SiC/Cの共存線材になった。
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