研究課題/領域番号 |
61850136
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
小野 光弘 山形大学, 工学部, 助教授 (60007010)
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研究分担者 |
伊藤 憲一 山形大学, 医学部, 助手 (40124408)
藤井 金苗 日本電子, 分析機器技術本部, 課長
及川 和夫 山形大学, 工学部, 助手 (00113928)
尾形 健明 山形大学, 工学部, 助教授 (50091830)
謝 国章 山形大学, 工学部, 助手 (70007219)
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キーワード | 超短寿命ラジカル / パルス電子スピン共鳴 / ESR / FID信号 |
研究概要 |
超短寿命ラジカル検出用ESRシステムの試作に関する研究を行ない次の結果を得た。 1.進行波管電力増幅器の改善 昨年度、Lーバンド進行波管電力増幅器(TWTA)の設計・製作を行ない、パルス立上り・立下り時間各5ns、マイクロ波パルス出力電力1KW、リンギング等によるデッドタイム約100nsを実現した。その結果、-40dBmの擬似エコ信号を確認することができた。今年度は受信感度の向上とデッドタイムの短縮のためにガウシアン類似のパルス波形による変調を試みた結果、パルス立下り後100nsにおいて、リンギングレベルは方形パルスの場合に比べて約15dB改善することができた。このことにより、受信感度は約15dBの改善がなされ、同一リンギングレベルで比較するとリンギングタイムは約50ns短縮された。 2.透過型共振器の設計 昨年度は1ポート型のループギャップ共振器を設計して用いたが、今年度は、ループギュップ共振器を2ポートの透過形共振器として設計し、リンギング対策のための種々の回路を試み易いようにした。 以上により、実際にパルスESR装置による自由誘導減衰(FID)信号の受信ができる態勢を整えることができた。 目下、DPPHラジカルを用いたFID受信実験を行っている。この実験の過程でパルス発生器の動作の安定化を図るための改造、修理等も行った。 今後、超高感度、短時間測定の可能なシステムとして完成する予定である。
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