研究課題/領域番号 |
61850138
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業分析化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
二瓶 好正 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (10011016)
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研究分担者 |
八幡 需 日本電子, 分析機器技術本部, 本部長
河合 潤 東京大学, 生産技術研究所, 教務職員 (60191996)
尾張 真則 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (70160950)
YAHATA Motomu JEOL, Analytical Instruments Technical and Engineering Division, General Manager
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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キーワード | 電子分光器 / トロイダル型アナライザー / エネルギー分布 / 角度分布 / 多チャンネル同時計測 / 位置敏感検出器 / X線光電子分光 / X線光電子回折 |
研究概要 |
本研究は、X線励起光電子の放出角度分布を能率よく、かつ高精度で測定することを念頭においたエネルギー・角度分布同時計測型電子分光器を新たに開発することを目的としている。この目的のため、トロイダル180°偏向型アナライザーを設計・試作するとともに、二次元多チャンネル計数回路の製作その他を行い、X線光電子回折測定をはじめとする荷電粒子のエネルギー・角度分布計測に幅広く利用できる荷電粒子分光器を開発した。 1.試作装置の構成:本装置の中心的構成要素であるエネルギーアナライザーには、通常の電子分光装置に用いられているものと同程度のエネルギー分解能を有し、かつ、極角方向の角度分布をそのまま投影できるものとしてトロイダル偏向型アナライザーを採用した。市販の二次元位置敏感検出器をエネルギー、角度の二次元同時計測に有効利用するため、偏向角を180°とし、検出面上で両分散が直交させた点が最も重要である。また、このアナライザーの収束特性を向上させるため、アナライザー入口に3段13極補正レンズ系を組込んだ。検出器には有効径40mmの市販位置敏感検出器を用いたが多チャンネル計数回路は制御用コンピューターとの適合性を重視し新たに製作した。その他の構成要素は通常の電子分光装置と基本的に同一である。 2.試作装置の性能:試作装置により得られた性能は、エネルギー分解能としてE/△E>200、極角分解能として△θ<1°、方位角分解能として△φ<3°などであり、また、同時計測範囲は極角100°、エネルギー25eV(アナライザー透過エネルギー200eVの場合)が得られている。これらは開発目標とした性能を十分に満足しており、X線光電子回折測定の能率、精度ともに従来用いられてきた角度分解型光電子分光装置と比較して大きく上まわるものである。
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