研究課題/領域番号 |
61850140
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
石井 忠雄 北海道大学, 工学部, 教授 (50001110)
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研究分担者 |
清水 晃 北海道大学, 工学部, 助手 (90002013)
古市 隆三郎 北海道大学, 工学部, 教授 (40001200)
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キーワード | エマネーション熱分析 / 粉体 / 表面 / キャラクタリゼーション / 粉砕 / メカノケミストリー / 金属酸化物 / 反応性 |
研究概要 |
粉体が1μm以下の微粉体になると、その反応性に対する表面層の役割は著しく増大する。本年度は【Al_2】【O_3】、【Fe_2】【O_3】、Ti【O_2】などの酸化物粉体を対象として、粉砕操作を中心とする調製履歴の異なる粉体表面層の、1500℃付近まで昇温過程における熱的変化挙動を、エマネーション熱分析(ETA)により追跡するものであり、次の各項目の研究を実施した。 1.ETA測定条件の確立。本目的に対し次のETA条件を決定した。放射性核種、【^(226)Ra】;ラベル方法、【^(226)Ra】水溶液(4〜10μCi/ml)による表面含浸法;ラベル濃度、4〜10μCi/g-試料;昇温速度、10℃/min;キャリヤーガス、【N_2】【(50ml/min)^±】;試料、0.1g;時定数、100秒。 2.粉体試料の粉砕、分級。異なる出発物質を用い、焼成温度を変化させ、調製履歴の異なる【Al_2】【O_3】、【Fe_2】【O_3】、Ti【O_2】粉体を調製した。つづいてこれら粉体を遊星型微粉砕機(Fritsch、P-7型)により、メノウ、アルミナ、タングステンカーバイト製の材質の異なる粉砕容器を使用し、粉砕時間を15〜600minで変化させて粉砕した。さらに、極微粉粒度測定器(昭和電工、PS-2型)により-5μm〜+45μmの範囲で種々の粒径に篩分し、約100種類のETA試料および反応性測定試料を調製した。 3.ETAによる粉体表面層の評価。前述の各試料に対するETA曲線の測定を実施中であり、それらの反応性測定と共に次年度に継続される。現在までに得られたETA結果の大要は次の通りである。ETAピークはそれぞれの格子イオンの自己拡散の開始温度Ts=(0.4〜0.5)Tm、Tmは融点(K)、を境として、それより高温側(ピーク【II】)、低温側(ピーク【I】)、Ts付近(ピーク【I】′)に現れる3種のピークに大別され、粉体の調製履歴により特徴ある挙動を示す。これらの結果は、本研究の目的に対し、ETAが興味ある手法であるものと期待できる。
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