研究課題/領域番号 |
61850141
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
阿部 良弘 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (90024223)
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研究分担者 |
渡辺 明 九州耐火煉瓦, 研究部, 研究部長
堤 定美 京都大学, 医用高分子研究センター, 助教授 (00028739)
細野 秀雄 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (30157028)
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キーワード | CaO-TiO_2-P_2O_5結晶化ガラス / 多孔質リン酸カルシウム結晶化ガラス / リン酸カルシウム |
研究概要 |
CaO-TiO_2-P_2O_5の新しい結晶化ガラスは、これまでのこの研究課題でとり上げている中では、最も化学的に安定である。しかし、この系に3モル%以下程度のNa_2Oを導入すると、その結晶化ガラス中に三リン酸カルシウムが50%近く生成することがわかった。三リン酸カルシウムは(TCPともいう)骨と置換しうる物質として知られている。これは酸には易溶性である。そのため、Na_2Oを含んだCaO-TiO_2-P_2O_5系の結晶化ガラスは、酸によってそのTCPの部分が溶出して、そのあとはporousな多孔体結晶化ガラスが得られる。そこで、緻密体と多孔体の物性をしらべ、これらを動物へのインプランテーションの試験に供した。この実験は進行中である。 また、単純なCaO-P_2O_5系にSiO_2を添加した系の、水への溶解速度、ならびに分析条件を検討した。その結果、シリカの添加が、ある濃度で最も溶出が大きくなる(約SiO_250%)ことがわかった。このことの、生体中使用での影響については今後慎重に検討を続ける必要が生じた。 一方、CaO-P_2O_5系セラミックスが酵素存在下で水に溶出するときの、酵素存在の有無の影響をしらべる目的で、まず、溶解過程をしらべようとした。電気泳動法を併用したクロマトグラフィー的分析法の開発について検討を加えた。酵素の影響をしらべるまでには到らなかった。 以上の実験の他に、本年度が最終年度であるためこれまでのデータの検討、まとめ等のディスカッションを行った。
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