研究概要 |
1.電極構造体の最適設計 (1)金及びニッケルの多孔体(金粒子径400,200,100,60メッシュ)4種、Ni粒子径2〜3μm,100メッシュ2種)を焼結して、モデル構造体の孔径分布測定、SEM観察と、水素酸化反応の分極特性、交流法による拡散インピーダンスの測定を行い、電極の構造的因子と分極特性との相関関係についての情報を集積して解析した。これによれば、ネルンストインピーダンスの解析より得られるガス拡散過程のパラメータ(2d/【(2D)^(1/2)】)が電極構造体設計の指針として有用であることが確認された。 (2)実セルに装着可能な電極構造体3種(自家製,A社製,B社製)についてネルンストインピーダンスの解析と電極特性の相互比較を行った。優劣の判定は可能であるが、より高性能化の為の方策、例えば3相界面の合理的形成に必要な電極の濡れのコントロールの問題等を今後どうするかを検討中である。 (3)自家製の電極を用いて、5cm径及び10cm角の実セルを作製し、性能の評価を行った。今回はセルの組み立て技術の確認にとどまったが、高性能の電極が開発できれば、実セルテストを今後とも行う。 2.電極構造体の高性能化 (1)Ni(90%)主体の合金粉体(10%-Co,-Cu,-Fe,Mn,-Mo,-Ti,-W,-Zr,-Zn)を作製したので、1-(2)の手法による電極特性の評価を行っている。 (2)MCFCの基本的構造材料である、Ni,Co,Fe等の金属材料の耐腐食性の検討を【CO_2】分圧をパラメーターとして行っており、この結果に基ずいた電極材料の選択と(1)に基ずく設計指針との協同展開を今後とも継続する。
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