研究課題/領域番号 |
61850150
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
二木 鋭雄 東大, 工学部, 助教授 (20011033)
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研究分担者 |
土屋 順一 東京大学, 工学部, 助手 (40011051)
山本 順寛 東京大学, 工学部, 助手 (60134475)
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キーワード | 化学発光 / 自動酸化 / 酸化劣化 / 抗酸化剤 |
研究概要 |
高度不飽和脂肪酸の酸素酸化とその生成物の化学発光法などによる分析、さらに種々の抗酸化剤の評価法について、科学研究費補助金交付申請書に記載の研究実施計画にそって研究し、以下の結果を得た。 1 高度不飽和脂肪酸の酸素酸化により、共役ジエンヒドロペルオキシドが第一次生成物として生成する。二重結合を二つ含む脂肪酸では、共役ジエンヒドロペルオキシドが定量的に生成し、酸素吸収量、基質反応量、共役ジエン生成量、ヒドロペルオキシド生成量、いずれも酸化度を定量的に示す。しかし、これの中では、化学発光法が最も感度が高く、微少の生成量を測定することが可能である。二重結合が3個以上になると、共役ジエンヒドロペルオキシドに加え、環状過酸化物も生成し、反応は複雑である。この場合でも、化学発光法は高感度の検出手段として有効である。 2 化学発光法でヒドロペルオキシドを分析する場合、熱分解、誘発分解による方法では定量性がよくない。次亜塩素酸との反応による化学発光を測定する方法がすぐれていることが見出された。 3 化学発光によりヒドロペルオキシドを定量する場合、ヒドロペルオキシドの構造により感度が異なること、共存する抗酸化剤が測定値を妨害することが分った。 4 過シユウ酸ジ-tert-ブチルの熱分解に伴なう化学発光に対する抗酸化剤の添加効果を詳細に検討することにより、抗酸化剤のラジカル捕捉能を定量的に評価することが可能であることが確認された。今後は、このシステムをより実用に近い条件下での抗酸化剤の作用に応用していきたい。
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