昭和61年度は表面プラズモン分光器の本体である0.01度まで読みとれる回転テーブルの製作を行った。すなわちオペレックス製ロータリーユニット(RU-75型)を採用し光源であるヘリウム-ネオンレーザー管並びに受光部であるフォトダイオード(ディテクター)の各々を光学台に取りつけ、この光学台がステッピングモーターにより各々独立に一つの水平中心軸回りに回転できるように設計した。制御方式はオープンループを採用し、直線加減速特性をもつステッピングモーターを用いて1パルス当り0.01゜の角度変化を実現できた。この方式では光源部と受光部が独立に回転するため光軸合せに若干困難さが存在するが試料セル台の微調整方式の工夫をすればほぼ達成できることが分った。 パルス駆動はプログラマブルコントローラによって行うことができ角度原点(0゜すなわち水平方向)出しも容易となったのみならずオペレーターパネルに入射角および反射角度のディジタル表示が可能となった。 以上のように表面がプラズモン分光器本体の試作は完了したので、現在プリズム上に銀を蒸着し、これに低分子有機化合物および高分子を吸着させて反射光強度が最低となる反射角度の測定から表面吸着量および吸着薄膜厚さの測定を行う準備を鋭意進めつつある。
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