研究課題/領域番号 |
61850165
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
山田 幾穂 名古屋工大, 工学部, 教授 (90024190)
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研究分担者 |
犬塚 正憲 日本車輌製造(株)輸送機器本部, 係長
平岡 節郎 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (80026070)
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キーワード | 分子蒸留器 / 回転円板 / 液膜 / 還流 / 蒸発係数 / 物質移動 / 物質移動モデル解析 |
研究概要 |
本年度は、還流をかけるために適した回転円板の幾何形状の開発設計とその試作を行ない、円板上での液膜の流動状態を観察し、また、液膜の膜状から液柱状への分裂位置を測定する実験をくり返し、実装置における回転蒸発面上の液の乾きおよびそれに派生する焦げつきを防ぐための、回転面上に安定な液膜を形成できる操作条件を明らかにしつつある。他方、還流をかけない回転円板式分子蒸留器を用いて、真空下における純成分の蒸発速度を測定し、このタイプの分子蒸留器の蒸発係数はほぼ1であることを得、さらに、遠心力場にある回転蒸発面上を流れる液膜の熱および物質移動のモデル解析を行ない、実験結果との良い一致を示す解析結果をえた。また、同様に、2成分溶液の蒸発についてもその蒸発速度および留出液組成の測定を行ない、2成分溶液に関する回転蒸発面上の液膜の熱および物質移動につきモデル解析を行ない実験結果を良く満足する解をえ、その熱および物質移動機構を明らかにした。以上の結果をもとに、還流を伴う回転円板式分子蒸留器について、熱および物質移動に対する数字モデルを考え、数値積分よりその数値解をえた。還流機構は蒸発部(回転円板)、凝縮部を同心円状に数セクションに分割して、凝縮面上で凝縮された留出液を一つ内側のセクションの蒸発面に還す液一液接触型の還流方式であり、各セクション内において、蒸発を伴なう液膜内の熱および物質移動については、還流をかけない回転円板式分子蒸留器の場合にえられた数学モデルを用いた。各セクションの物質収支は一括してMatrixで示される。次年度において、実装置を用いた各種操作条件下における蒸留実験を行ない、還流を施こすことになる成分の分離への効果等を見極め、併せて、本数学モデルの解との比較検討をし、モデルの有用性を評価する。
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