研究課題/領域番号 |
61850170
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小倉 敬二 阪大, 基礎工学部, 教授 (70029007)
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研究分担者 |
西川 出 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (90189267)
三好 良夫 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (40029434)
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キーワード | 定量破面解析 / X線 / 残留応力 / 疲労破面 / 表面層除去X線フラクトグラフィ |
研究概要 |
X線フラクトグラフィは破面を逐次電解研磨し、その都度露出した面の残留応力を測定し、その値が零となる深さから塑性域寸法したがってまた破面形成時の負荷を推定しうることが一つの大きな特徴である。しかし予め破面下の残留応力分布の特徴を把握しておけば、これを利用することによってただ一回の計測情報より塑性域を推定することが可能である。この考えに基づいて表面層除去X線フラクトグラフィ法を提案した。またX線フラクトグラフィにおいて基本的な問題である破面残留応力値におよぼす破面あらさの影響についても定量的に検討し、以下のような結果を得た。 1.提案した表面層除去X線フラクトグラフィ法をSM50A鋼およびHT80鋼に適用しその有効性を確認した。この方法は破面近傍を除去してしまうので、破面あらさが酸化皮膜など破面付着物の影響を受けない特徴があり、実機の破面解析に有効と考えられる。実機の破面については昭和62年度の検討課題として計画している。 2.破面下の残留応力分布は材料の加工軟化、加工硬化などの影響を受け、必ずしも簡単ではないことが明らかとなった。実験ならびに計算機によるシミュレーションによって残留応力分布に対する支配因子の把握ならびにデータの蓄積が必要である。 3.破面上の残留応力は破面あらさが2乗平均あらさ値で約10ミクロン以上となるとその影響が顕著となるが、通常の疲労破面ではさほど問題にならないことが明らかとなった。 4.疲労破面上の残留応力値は、破面形成時の負荷応力拡大係数幅ΔKが小さくなるにつれ小さくなるが、ΔKが下限界値ΔKthに近ずくにつれ再び増大することが明らかとなった。
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