研究課題/領域番号 |
61860006
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
都丸 敬一 東京農大, 公・私立大学の付置, 教授 (40172176)
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研究分担者 |
大島 信行 日本植物防疫協会試験研究農場, 特別研究員
久保 進 日本たばこ産業株式会社, 中央研究所・生物実験センター, 所長
奥田 誠一 宇都宮大学, 農学部, 助教授 (90091941)
井上 忠男 大阪府立大学, 農学部, 教授 (60081486)
土居 養二 東京大学, 農学部, 教授 (00011924)
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キーワード | 抗植物ウイルス物質 / 弱毒防衛ウイルス / タバコ菌核病菌 / オシロイバナ / 2.4-Dioxohexahydrotriazine / ベノミル |
研究概要 |
タバコ菌核病菌(Sclerotinia Sclerotiorum)の菌核、菌糸の抽出物はタバコモザイクウイルス(TMV)に対して、Nicotiana glutionasa,タバコ(Xanthinc等)で高い感染阻止作用を示した。キュウリモザイクウイルス(CMV)-ササゲ、ジャガイモYウイルス(PDY)-タバコでも同様な作用が認められた(都丸)。オシロイバナ(Mirabilis jalapa)抽出物にもTMV-タバコのほか、キュウリ緑斑モザイクウイルス(CGMMV)-キュウリ、CMV-タバコで高い感染阻止作用が認められ、局部処理によって全身的な作用を示した。この作用を示す物質は分子量24,200の塩基性たんぱく質で、17種220個のアミノ酸から成る。効果は強力で実用化の可能性が高い(久保)。植物性長調節物質である24dioxohexahydrotriazine(DHT)および殺菌剤ベノミル(methyl-1-(butylcarbamoyl)-2-benzimidazolecarbamate)にTMV-トマト、PDY-タバコ等で発病を遅らせる作用が見出された。タバコにTMVを接種後、接種葉中のウイルス濃度の追跡から、感染初期反応が阻止されることが判った。ベノミルとDHTとの併用による相乘効果はとくに認められなかった(大島)。CMV感染タバコ葉中にはウイルスの自己増殖抑制因子の生成が認められるが、CMV-カボチャ、タバコについて、マスキング葉、モザイク葉緑色部、同黄色部についてウイルス粒子量、感染性、dsRNA量を比較した結果、粒子量、感染性は黄色部にくらべて他の2部では約1%程度であるが、dsRNAは30%を示し、No.3,4のRNAが主体であった(井上)。同様なdsRNAの検出は奥田らによっても認められ、CMVの増殖抑制因子として作用が注目される。CMVの紫外線照射、亜硝酸処理によって変異株の誘発が認められ、弱毒株の選抜を行った(奥田)。また、メロン-CGMMV,TMV-P(トウガラシ系)の弱毒ウイルス分離株について、電子顕微鏡による感染組識のウイルスの相互作用の観察を行った(土居)。
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