研究概要 |
1.家禽初期胚の性沢定法の開発 (1)ニワトリの雌に特有の性染色体であるW染色体のDNAの約50%を占める反復DNA配列の反復単位(XhoI-0.6kb,1-1Kb)をクローニングした。これらのクローンをプローブとしてドットブロット,サザンブロット,およびiN Situハイブリダイゼーションを行うことにより雌,雄由来のDNAを明確に識別することができた。特に放射性同位元素を用いないビオチン標識プローブを作成し、ハイブリッド形成をアビジンアルカリホスファターゼとの反応で検出する方法を開発し、50ngのDNAで雌雄判定が可能となった。(2)同様な目的に使用できる,ニワトリの雌に特有のEcoRI-1.3Kb配列を見出し、クローニングを行った。(3)ニワトリのW染色体に特異的なXhoI-0.6Kb配列をプローブとして、これと60%の塩基不対合を許容する条件下でハイブリッド形成する,シチメンチョウのPstI-0.4Kb配列を見出し、クローニングした。この配列はシチメンチョウのW染色体に特異的な反復配列の反復単位で、シチメンチョウ胚由来の微量のDNAにドットブロットまたはサザンブロットハイブリダイゼーションを行わせることにより明確な雌雄判定が行えることが示された。 2.家禽初期胚の性決定法の開発 ウシのY染色体に特異的なDNA配列を検出,クローニングして、DNAレベルの性判定のプローブとすることを目指している。ウシの雄由来のDNAを制限酵素Sau【III】A1分解したものに大過剰の雌由来のDNAの超音波による切断生成物を加え、熱変性後,高いCot値までハイブリッド形成したのち、pVC118ベクターに組込んでクローニングを行った。約30個の組換え体が得られ、これらの中にY染色体特異的な塩基配列が含まれるかどうかを検討している。
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