研究課題/領域番号 |
61860009
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
鵜高 重三 名大, 農学部, 教授 (70023463)
|
研究分担者 |
坪井 昭夫 名古屋大学, 農学部, 助手 (20163868)
山形 秀夫 名古屋大学, 農学部, 助手 (20023468)
塚越 規弘 名古屋大学, 農学部, 助教授 (50115599)
|
キーワード | 蛋白質生産菌 / 有用蛋白質の高効率生産 / 分泌生産ベクター / Bacillus brevis / β-アミラーゼ |
研究概要 |
蛋白質を菌体外に大量分泌する性質を有するBacillus brevis(蛋白質生産菌)を宿主とし、本菌の細胞内に安定に保持されるプラスミドをベクターとして用い、各種の有用蛋白質を高効率で生産する目的で研究を行った。大量生産される菌体外蛋白質の遺伝子から、その効率よい発現と分泌能を支配していると考えられるDNA領域をベクター・プラスミド上に連結し、その下流に有用蛋白質の構造遺伝子を連結することによって蛋白質の高効率生産を行える発現分泌ベクター、PNU200を調製した。このような宿主・ベクター系を用いて、高等生物の遺伝子産物としてヒト・インターロイキン2を、原核生物のものとして細菌のβ-アミラーゼの分泌生産を検討した。 1.すでにクローン化されているヒト・インターロイキン2の遺伝子をPNU200のシグナル配列下流に翻訳フレームを合せて連結した。この連結にはプラスミドとインターロイキンDNAとを種々の制限酵素で切断したり、リンカー DNAを用いる複雑な手順が必要であった。また、組換えDNAをB.brevisへ導入することが非常に困難であった。これはB.brevisの形質転換効率が低いためではなくて、導入された遺伝子によってインターロイキン2が生産されると宿主菌に致死的に働くためではないかと考察した。少数ではあるが、目的のプラスミドを保有すると考えられる形質転換株を得ることに成功した。その1株について種々の条件で培養し、インターロイキンの生産量を分析した。培養細胞に対する活性で測定した場合には約1mg/lであり、インターロイキン抗体と反応する蛋白質としては10〜20mg/l、培養液中に蓄積していた。2.β-アミラーゼ遺伝子をPNU200のシグナル配列下流に連結した後、B.brevisへ導入した。この場合も翻訳フレームを合せるため、多数の過程について遺伝子操作を行った。目的の形質転換株は予想通りβ-アミラーゼを効率よく分泌生産することが明らかとなった。
|